ダル&大谷の話は「1日で聞き足りない」 侍選出の同僚を羨望も…届いた「思わぬ報せ」
日本シリーズでブレーク…オリックス山崎颯一郎「去年の自分を超えたい」
日本列島が熱狂したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の追い風を受け、プロ野球の2023年シーズンが3月30、31の両日に開幕する(DAZNでは広島を除く11球団の主催試合をライブ配信)。野球専門メディア・Full-Countでは「BEYOND(~を超えて)」をテーマに、今季注目の選手たちの挑戦を追った連載企画を展開。第1回は、昨季日本一に貢献し、侍ジャパンにも途中から参戦したオリックス・山崎颯一郎投手に迫る。
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柔和な笑みから、力強く「1軍完走」と色紙に記した。「去年の自分を超えたい……」。新たな挑戦が始まろうとしている。悲願の日本一に輝いた昨秋、ビールかけ会場にはゴーグル姿の山崎颯がいた。昨季はシーズン途中で救援に転向。9月20日のロッテ戦(ZOZOマリン)ではプロ初セーブをマークするなど15試合に登板して、防御率3.00の成績を残した。中嶋聡監督からの信頼も厚く、中嶋政権で唯一の3連投も経験した。
躍動は止まらなかった。ポストシーズンでもブルペン待機する日々で、頼もしい存在に。ソフトバンクとのクライマックス・シリーズ第4戦では、自己最速の160キロを計測するなど、スタジアムを沸かせた。日本シリーズでは4試合に登板し、日本一に笑顔が弾けた。
190センチの長身から投げ下ろす直球を武器に、チームの3連覇に貢献したい今季は「去年の経験を活かしたい。ああいう痺れた場面で投げて、結果を出したい。やっぱり自信がないと抑えられないので。楽しく思った方が自分の力を発揮できるなっていうのは感じましたね」と、成長を見せる。
さらなる飛躍を目指し、オフはウエートトレーニングに励んだ。「筋力を落とさず、トレーニングをして、プラス(の筋力)が欲しかった」。細身だった体は、逞しくなってきた。技術面では「決め球ですね」と、フォークやカーブの精度を高めることに重点を置く。春季キャンプのブルペン投球などでは「変化球のコントロールを重視。ストレートは、しっかり練習をしていければ出力が上がってくる」。2016年ドラフト6位の7年目右腕は、コンディションの整え方も理解を深めた。
順風満帆に見える野球人生だが、実はそうではない。苦しい日々を乗り越えた過去がある。入団3年目の2019年5月、ウエスタン・リーグの試合中に右肘を負傷。痛みが引かず、3か月後の8月には右肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けた。リハビリに時間を費やすため、10月下旬には育成契約に切り替わり、背番号は3桁の「135」となった。
投手であるにも関わらず、マウンドに立つことができない。想像を絶するリハビリ生活を「あの時から(考え方が)変わりましたね」と振り返る。右肘の手術を受けるまでは「ずっと150キロを出したかった。どうやったら150キロが出るのか、ずっと考えながら放っていたんですけど、どうしても出なかった。それがトミー・ジョン手術をして、いろんなトレーニングをして、ケアをして、(投げ方も)真っ白にした。全部を新しくした」と生まれ変わった。