最下位・巨人は「現時点でAクラス争いは厳しい」 専門家が指摘する“転落”の理由

巨人・原辰徳監督【写真:中戸川知世】
巨人・原辰徳監督【写真:中戸川知世】

主に1番で起用されるオコエは打率.357、2本塁打も「まだ未知数」

 3年ぶりのリーグ優勝を目指す巨人が苦しんでいる。16日、バンテリンドームで行われた中日戦に5-7で敗れリーグ最速の10敗を喫し、最下位に転落した。開幕15試合で5勝10敗と浮上のきっかけがつかめないチームを、オリックス、ソフトバンク、広島で打撃コーチなどを歴任した野球評論家・新井宏昌氏が分析した。

 開幕カードの中日に2勝1敗と勝ち越し、好スタートを切ったように見えたが、その後は5連敗を含む4カード連続負け越し。先発陣ではWBC戦士の戸郷が2勝をマークし孤軍奮闘しているが、エース・菅野が故障で出遅れるなど不安定な状況。打線も坂本、丸らの“実績組”が本来の力を発揮できていない。

 投打が噛み合わない現状に新井氏は「オフにベテランや実績ある選手を獲得したが、期待した活躍を見せていない。巨人は勝利を宿命づけられたチーム。現状のメンバーを見てもなかなか、若手にチャンスが与えられず辛抱して使うこともできない。投手、野手で実績ある選手の状態が上がっていないので、今の順位は仕方ない」と指摘する。

 新戦力のオコエはここまで11試合に出場し打率.357、2本塁打4打点、OPS.958とトップバッターとしてチームを牽引している。ただ、打線全体を見るとオコエ以外に現状で期待できるのは4番・岡本和と5番・中田翔の2人。岡本和は打率.328と好調をキープしているが、わずか3打点で得点圏打率は.091(11打数1安打)だ。

「今のオコエの活躍は素晴らしいが、楽天時代に1年間通してプレーした経験はない。まだ、未知数と考えていいでしょう。チームはこれまでも期待の若手が出てくる気配はあったが、長続きしなかった。坂本は若くしてレギュラーの座をつかみ球界を代表する選手に成長したが、それ以降は若手が出てきていない。岡本和ぐらいで、その他は外国人やFAなどの補強で補ってきた。それが今のチーム編成になっています」

戸郷が孤軍奮闘の2勝、防御率0.00もリリーフ陣は「まだ手探り」

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