西武平良の“割り切り思考”…理詰めで導く先発成功 被安打8も「打たれたのは2本」

ロッテ戦に先発した西武・平良海馬【写真:小林靖】
ロッテ戦に先発した西武・平良海馬【写真:小林靖】

先発転向後、初黒星にも「内容的には良くなっている」

■ロッテ 3ー0 西武(11日・ベルーナドーム)

 西武の平良海馬投手は11日、本拠地ベルーナドームで行われたロッテ戦に先発し、6回2失点の投球を披露するも、チームは0-3で零封負けを喫した。自身も先発転向後初黒星となったが、今季5試合の先発で3勝1敗、防御率1.97の好成績に変わりはない。さらに、先発した全試合でQS(クオリティスタート=6イニング以上を投げ自責点3以内)をクリアしており、本人も手応えを口にした。

 悔やむ1球があるとすれば、3回だろう。平良は3回2死一塁で、2番の藤岡裕大内野手にカウント3-1から、内角低めの150キロの直球を右翼線二塁打された。すると一塁走者・藤原恭大外野手が俊足を生かしてホームイン。先制点を許した。試合後は「高めを狙った真っ直ぐが低めに行ったことが、打たれた原因だと思います。僕の投げミスです」と振り返った。

 一方、5回の失点は不運だった。2死一塁から、1番の池田来翔内野手に外角のスライダーを引っ掛けさせたが、弱い打球が三塁線に転がり内野安打に。一、二塁から、前の打席で適時二塁打を許した藤岡を今度は内角低めの146キロのカットボールで詰まらせたが、飛球は内野とセンターの間に落ち、2点目を奪われた。同じ打者に2本のタイムリーを打たれる結果になった。

 それでも、ストレートは最速155キロを計測し、威力十分。2回1死一塁で、岡大海外野手に外角のカットボールを打たせてニゴロ併殺、4回にも1死一塁で、安田尚憲内野手を低めのスプリットでニゴロ併殺に仕留めたあたりの投球術は巧みだった。

 打線の援護がないまま、6回98球、8安打無四死球2失点で降板。登板のたびにトラッキングシステムで計測された詳細なデータをチェックし役立てている右腕は、「打球速度の速いヒットを打たれたのは、藤岡選手と初回の中村(奨吾内野手)さんの2本くらい。あとは不運なヒットや、打球速度の弱い当たりだったので、内容的には前より良くなっていると思います」と“エビデンス”を挙げ、満足そうにうなずいた。

 今季から先発に転向し、5試合目で初めて100球未満でマウンドを降りた。「次回は回復が早くなると思うので、万全にやっていきたいと思います」とプラスに捉えている。志願の先発転向も、理詰めで完成形に近づきつつある。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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