慣れないマウンドが生んだ“不規則変化” 西武サブマリンが残した光明「緩急うまく」

中日戦に先発した西武・與座海人【写真:小林靖】
中日戦に先発した西武・與座海人【写真:小林靖】

初めての大宮公園野球場のマウンド「固くなった」

■中日 2ー1 西武(6日・県営大宮)

 西武は6日、県営大宮公園野球場で行われた中日戦に1-2で惜敗。先発の與座海人投手は、打線の援護に恵まれず今季2敗目(0勝)を喫したが、7回2失点の好投を演じ、先発ローテ投手としてチームの今後へ明るい光明をもたらした。

「初回の入りに、少し固くなったかなと思います。緊張とまではいかなかったのですが、いつもと違うマウンドからの景色を意識してか、固さがありました」と與座は自身の投球を振り返る。大宮公園野球場のマウンドは初めて。さらにこの日は試合開始直後から、小雨まじりに、右翼から左翼方向へ強い風が吹いていた。

 アンダースローの與座の球速は、ストレートでも120キロ台。これに110キロ台のスライダー、シンカーなどを交え、カーブは89キロを計測した球もあった。球速がない分、風の影響を受けたが、打者にとって見慣れない不規則な変化を利用した。「マウンドでは一塁方向から風を感じていて、スライダーが少しチェンジアップのようになることがありました。その辺を利用し、緩急を使いながらうまく投げられたと思います」と説明した。

「固くなった」と言う初回は先頭の大島洋平外野手に右前打されたものの、続く岡林勇希外野手には真ん中高めのスライダーを打たせて左飛。セ・リーグ4位の打率.328を誇る細川成也外野手には、スライダーを2球見せた後、カウント2-2から真ん中高めのストレートで空振り三振に仕留める。4番の石川昂弥内野手も内角高めのストレートで詰まらせ、二飛に打ち取り立ち上がりを無難に切り抜けた。

 それだけに、5回の失点シーンには悔いも残る。先頭の木下拓哉捕手に三塁線へ絶妙のバント安打を決められ、さらに送りバントで1死二塁。大島を打ち取り2死としたものの、岡林にはカウント2-2から真ん中高めのストレートを先制右前打された。「四球で歩かせ次打者勝負でもいいかな、という思いもありました。追い込めたので勝負していこうとなり、いいところに打球を落とされました。いいバッティングだなと思いました」。有利なカウントを作れたことが、結果的に裏目に出た格好だ。

悔やまれる細川への初球「ボール球から入る選択肢もあった」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY