深夜の吉報で「多くの人を叩き起こした」 コロナ禍で自由契約…エ軍26歳は“苦労人”
5年目にしてメジャー初昇格のイングラム「全てが上手くいったように感じる」
エンゼルスは15日(日本時間16日)、コルトン・イングラム投手をメジャー昇格させたと発表した。2019年にプロ入りした26歳は5年目での“吉報”に「昨晩は多くの人を叩き起こした」と喜びを隠しきれなかった。
黒いシャツを着て帽子をかぶり、遅れてクラブハウス入り。すでに着替え終わった他の選手からは握手やハグで迎えられた。昇格の知らせを受けたのは前日14日(同15日)の午後11時半ごろ。バスに乗って傘下2Aロケットシティのチームメートに「メジャーに行ってくる」と報告すると大盛り上がりだった。チームメートからは「『(知らせを受けた瞬間)顔が白くなった』と言われた。チームメートとも祝うことができたから、素晴らしい瞬間だった」と笑った。
イングラムは2019年にドラフト37巡目(全体1102位)でタイガースに加入し、同年はルーキーリーグで1勝1敗、防御率4.15の成績を残した。しかし、翌2020年は新型コロナウイルスの影響でマイナーリーグ全試合が中止に。同年7月に自由契約になった。その後、エンゼルスと契約し、ついに初昇格。「(メジャー昇格は)とても重要なことだ。ここまでの道のりは長かったけど、(昇格できて)全てがうまくいったように感じる」と感慨深そうに振り返った。
この日、テキサスには家族や友人が12人ほど応援に来た。コロンバス州立大時代のコーチも見に来ているという。チームは翌16日(同17日)からカンザスシティでロイヤルズと対戦するが、応援団については「今回でストップするべきだと思う」とこの日までだ。
チームは今季、ザック・ネト内野手やベン・ジョイス投手など2Aから“飛び級昇格”している選手が多い。「(昇格の可能性があると)全員がそう感じていると思うが、私はプレーを楽しむことを心がけていた。(ロケットシティでの)プレーは本当に楽しかった」と振り返った。チームは15日(同16日)の試合前時点で、38勝32敗で地区3位。ワイルドカード争いは3位と2.5ゲーム差の5位につけている。26歳の苦労人、チームを9年ぶりのポストシーズン進出に導く投球に期待したい。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)