現役ドラフトは「成功だった」 “経験者”が語る…続々とブレークする理由
細川は昨季18試合で1安打…今季は71安打、打率321、9HRをマーク
昨年オフに実施した現役ドラフトの導入は、もう成功だったと言っていいのではないか。この制度でDeNAから中日に移籍した細川成也外野手は今季、既に過去最多の37試合(2021年)を大きく上回る61試合に出場し、リーグ3位の打率.321、9本塁打38打点(22日現在、以下同)をマーク。見違えるほどの活躍ぶりだ。ソフトバンクから阪神に移った左腕・大竹耕太郎投手もリーグトップの防御率1.13、同2位タイの6勝(1敗)で、首位を走るチームの原動力となっている。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍し、移籍をきっかけに野球人生が変わった経験を持つ評論家・野口寿浩氏が検証した。
細川のパワフルな打撃は、DeNA時代から注目されていた。本人も一昨年オフには、米国のトレーニング施設で同僚のタイラー・オースティン外野手、ネフタリ・ソト内野手と合同自主トレに取り組むなど試行錯誤。それでもDeNA外野陣の層は厚く、なかなか1軍定着できなかった。昨季1軍では18試合出場、打率.053(19打数1安打)。ところが今季は、シーズンの半ばにも達していない段階で既に61試合で71安打を放っている。
野口氏は「細川の場合は、和田一浩打撃コーチの指導法がハマったのではないでしょうか」と見る。そして「移籍をきっかけに活躍する理由としては、第一に出場機会の増加、第二に自分に合った指導者との出会いが考えられます」と指摘する。
大竹もソフトバンクの豊富な投手陣の中ではチャンスが少なく、昨年はわずか2試合登板で0勝2敗、防御率6.43。縦縞のユニホームに袖を通した今季は、初登板初先発の機会を得た4月8日・ヤクルト戦で6回3安打無失点に抑えて初勝利を挙げ、以降無傷の6連勝。チームの信頼を勝ち取った。楽天で出場機会が激減していたオコエ瑠偉外野手も、巨人で開幕スタメンの座を射止め、存在感を放ち続けている。