156キロ右腕が家の中で取り組んだ“秘密練習” 父を驚かせた「ゆっくり、バチっと」
日本ハムの北山亘基投手が、少年時代に毎晩のように行った練習とは…
最速156キロを誇り、2年目の今季は日本ハムの先発の一角を守る北山亘基投手は、中学時代まで軟球でプレーしたのが「自分には合っていた」と振り返る。その中で取り組んでいた練習法がある。今も威力のある直球を投げるのに、欠かせない感覚を養えたという。
何かといえば「家の中」でのキャッチボールだ。決して広い家だったわけではない。部屋の端と端、10メートルもない距離の中で、軟球を使って行っていた。だから「ちょっと間違ったら、テレビに当たったりもしちゃうんですけど」と笑う。何度もぶつけたことがあると頭をかく。
そこで速いボールを投げようとするのではなく「ゆっくり、リラックスして、縦回転をしっかりかけるイメージで投げるんです」。毎晩のように、寝る前になると相手を務めてくれた父が、捕る時に『おっ』と驚くようなボールを目指していた。
「ゆっくり投げてはいるけど、回転が手元でしっかりかかっているボールを投げたかったんです。リリースもバチっと決まらないと、なかなかそういうボールは投げられない」
外からは見えない“秘密練習”で得た感覚は「今も残っていますよ」と言い切る。「力ずくで速い球を投げるのと、ゆっくり投げて打者を差し込むボールを投げるのはやはり違いますから」。
同じ速いボールでも、力任せに投げては打者にタイミングを合わせられる可能性が上がる。打者を差し込むボールを、どう投げるのか……。幼い頃の継続で、磨かれたものがあった。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)
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