遊撃の定位置狙う巨人ドラ4の魅力とは? “メジャー級”動きと咄嗟の判断力に光
中山、北村らと競争しながら坂本離脱後にスタメン増
■広島 2ー0 巨人(12日・東京ドーム)
巨人のドラフト4位が輝きを放っている。門脇誠内野手は12日、本拠地・東京ドームで行われた広島戦に「8番・遊撃」でスタメン出場。チームは相手先発の森下暢仁投手から8安打を放ちながら得点を奪えず、0-2で敗れたが、超人的なプレーでスタンドを沸かせた。
巨人は精神的支柱の坂本勇人内野手が、故障で6月24日に出場選手登録抹消。門脇は年齢で2歳下の中山礼都内野手、パンチ力のある打撃が持ち味の北村拓己内野手(8日に再調整のため抹消)と熾烈な競争を繰り広げながら、坂本離脱後の13試合中、過半数の7試合でスタメン遊撃手として起用されている。
門脇の魅力は高い守備力だ。この日はまず初回無死一、二塁のピンチで秋山翔吾外野手が放った痛烈なライナーがフォスター・グリフィン投手のグラブを弾き宙に舞う。門脇はこれをダイレクトで捕球すると、飛び出していた二塁走者・上本崇司内野手を尻目に二塁ベースを踏み、併殺を完成させた。
もっとすごかったのは5回。2死走者なしから、上本が放ったゴロは二塁ベースを通過し、いまにもセンターへ抜けようとしていたが、門脇はスライディングしながら捕球すると、そのまま一回転し、尻もちをつきながら一塁へ送球。ワンバウンドとなったものの、正確に一塁手の中田翔内野手のミットに収まった。上本の一塁への必死のヘッドスライディングでセーフとなり、内野安打となったが、門脇の“メジャー級”のフットワークに東京ドームはどよめきに包まれた。
また、フル出場した11日の同カードでは、9回1死一塁の場面で上本が小飛球を打つと、門脇はいったん捕球したボールをグランドに落とし、遊撃→二塁→一塁へと転送。併殺が成立したかに見えた。結果的には「故意落球」と判定され、2死一塁で試合が再開されたが、咄嗟に湧き出るアイデアに、新人離れした落ち着きを感じさせた。
「なんと言っても、ショートというポジションはチャンスですから」。原辰徳監督はそう言って若手を鼓舞する。門脇の場合、守備では何度も指揮官を驚嘆させているが、打撃となると打率.175(120打数21安打=12日現在)。この日も2打席凡退すると、8回先頭の3打席目に代打を送られた。今後さらに出場機会を増やし、レギュラーを射止めようとするなら、打力アップが絶対的な課題になることは間違いない。