吉田正尚の“特殊能力”に指揮官も感銘 首位打者目前…初見で対応できる思考法

Rソックス・吉田正尚【写真:Getty Images】
Rソックス・吉田正尚【写真:Getty Images】

吉田正尚が意識する打席での“心得”に指揮官絶賛

■アスレチックス 3ー0 Rソックス(日本時間19日・オークランド)

 レッドソックスの吉田正尚外野手が18日(日本時間19日)、敵地でのアスレチックス戦に「4番・指名打者」でスタメン出場し、2打席連続の二塁打を放った。これで今季37度目のマルチ安打を記録。この日は4打数2安打で打率.318とした。

 2回無死の第1打席で左中間二塁打を放つと、さらに4回1死の第2打席で左翼線二塁打を放った。いずれも“流し打ち”。アレックス・コーラ監督は「マサ(吉田)は良い打者だ。打席で強振できるし、逆方向にも打てる」と、これまでに強みを明かしている。指揮官はチーム内での“教科書”として「JT(ターナー)とマサ」の名前を挙げ、「バットをやたらと振り回さない。こういう打者はなかなかいない。それがウチには2人(JTと吉田)がいる」と共通点を絶賛する。

 柔軟な打撃スタイルで安打を量産している。コーラ監督は吉田の打撃に「早いカウントでは強いスイングをするけれど、2ストライクになったら、逆方向に打つ意識に切り替えられる。これができるのは大きな強み。これができる打者はそう多くはない」と腕を組んだ。

 吉田はメジャー移籍1年目とあり、ほとんどの投手が“初見”。それでも見事に結果を残しており「普通はピッチャーの方が打者より有利だよね? 彼は物事を難しく捉えないで、シンプルに捉えている。いい打者だよ。グラウンドを広く使って、段階を踏みながら学びを深めている」と指揮官は分析。打率.3179は、リーグトップのボー・ビシェット内野手(ブルージェイズ)に、わずか5毛差。「今のところ順調にきている。彼はとてもスペシャルだ」と監督は深くうなずく。

 一息つくと、コーラ監督は「(吉田は)まだ30歳の若さだよ。自分ではまだまだ若く感じるって言っていた。何はともあれ、うちのチームにいてくれて良かった」と“補強”の成功に胸を撫で下ろした。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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