吉田正尚、貪欲3安打で首位打者射程圏「まだまだ進化できる」 “超遅球”捉えて100安打
3安打で打率.317も「まだまだ進化できる」
■Rソックス 11ー5 カブス(日本時間17日・シカゴ)
レッドソックスの吉田正尚外野手が16日(日本時間17日)、敵地でのカブス戦に「5番・左翼」で出場し、11号満塁弾を含む5打数3安打6打点の活躍で打率を.317に上昇させた。8点リードの9回1死からは“野手登板”の64キロを捉えて右安打。試合後には「何も考えずに」と対策を明かした。
直近10試合で9度のマルチ安打を記録しているヒットマンに動揺はなかった。5回2死満塁で11号グランドスラムを放ち、7回1死一、二塁の第4打席では右中間を破る2点適時三塁打。6打点の大奮闘も、貪欲に次のヒットを狙った。
9回1死、マウンドにはタッカー・バーンハート捕手が立っていた。初球、2球目も60キロ台の“超遅球”を見逃すと、3球目、64キロを捉えて右安打。敵地も拍手で吉田の3安打目をたたえた。緩い球をきっちりと仕留め「何も考えずに。リラックスして、固くなり過ぎないように」と打席での心境を明かした。
同じ轍は踏まない。今季2度目の“野手登板”との対戦。「デトロイトで1度、野手ピッチャーと対戦したときに構え過ぎた」と反省を胸に、今季100安打目を放ってみせた。顔付近の高さに来た球を打ち返す“技アリ”の安打に「1つのヒットとして嬉しい。(自分は)調子が悪くなったら緩い球を打ったりする。ああいう球もタイミングが合わないと凡打になる」と振り返った。
前日15日(同16日)の同カードは無安打に倒れ、連続試合マルチ安打は8試合で止まった。それでも「切り替えてやっている。今日、打てたとしても明日打てるかわからない。改めて臨める準備だけしていきたい」と、すぐに結果を残した。
打率は.317となり、リーグトップの打率.323を記録するヤンディ・ディアス内野手(レイズ)を射程圏に捉える。「まだまだ自分自身、進化できると思っている」。磨いた技術を証明してみせる。冷静に分析する吉田の胸中は、誰よりも熱い。
(真柴健 / Ken Mashiba)