吉田正尚“逆算思考”で満塁弾 30歳の挑戦は「どう転ぶか」…数年前から夢舞台を回想

満塁本塁打を放ったRソックス・吉田正尚【写真:ロイター】
満塁本塁打を放ったRソックス・吉田正尚【写真:ロイター】

新人日本選手では2003年松井秀喜以来、2人目となるシーズン2本目の満塁弾

■Rソックス 11ー5 カブス(日本時間17日・シカゴ)

 レッドソックスの吉田正尚外野手が16日(日本時間17日)、敵地でのカブス戦に「5番・左翼」でスタメン出場し、11号満塁弾を含む5打数3安打6打点と大暴れした。5回2死満塁から右翼席に突き刺す11号満塁弾。試合は11-5で勝利し貯金6。吉田の打率は.317となった。

 思い描いていた夢舞台で、吉田は奮闘している。日本人野手がメジャー移籍1年目でシーズン2本目の満塁弾を記録するのは2003年松井秀喜以来、2人目。幼少期からの思い続けた「メジャーリーガーになる」という夢は「2、3年前から、逆算しながらイメージしていた」と明かした。

 15日(同16日)に30歳を迎え「1つ、30歳前後で勝負のタイミングと思っていた。どう転ぶか。大きなタイミングを30歳で迎えると感じていた」と言葉に思いを込めた。

 前日の同カードでは無安打に終わり、日本人野手最長の連続マルチ安打は8試合でストップ。「気持ちを新たに。毎日(試合が)やってきますから。切り替えて、日々ベストを尽くせるように準備したい」。淡々と話すように、感情の起伏を消して満塁弾を含む3安打6打点と大爆発した。

 春先は打撃不振に苦しみ、一時は打率を.167まで落とした。ただ、気持ちを落とすことはなかった。「後悔しないように。自分が打てると思ったらドンドン行こうと。自分のベストスイングをすればホームランになる確率は上がると思います」。笑顔の奥には抱え込んだ葛藤と、見出した勝算がある。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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