坂本勇人が復帰でも先発「貴重な存在」 原監督を惹きつけるドラ4の“最大の魅力”
三塁で2年連続GG賞の岡本和が一塁へ…指揮官も高く評価する門脇の守備力
巨人・坂本勇人内野手が28日の中日戦(東京ドーム)で35日ぶりに1軍復帰し、「2番・遊撃」で出場した。坂本不在中に遊撃のポジションで好守を連発してきたドラフト4位ルーキー・門脇誠内野手も、ポジションを三塁に代えて8番でスタメン出場し、ここでも存在感を放った。
サードに移っても、ゴールデン・グラブ級の守備力は変わらない。3回1死走者なしで、中日・龍空内野手が三塁線へ放った痛烈なゴロを、門脇は逆シングルでさばき、間髪入れずに一塁へ矢のような送球で刺して見せた。直近2年連続で三塁手としてゴールデン・グラブ賞に輝いている岡本和真内野手が一塁に回り、居場所を確保しているところに、門脇の存在の大きさが表れている。原辰徳監督は「全体的な攻守(のバランス)を考えました。手前みそになるけれど、(門脇は)守備力という点では、皆さんが思っている通りだと思います」とうなずいた。
50メートル5秒8の俊足もストロングポイントだ。6-2で迎えた3回、先頭で第2打席に立った門脇は、中日2番手の左腕・砂田毅樹投手から中前打で出塁。次打者は投手の井上温大だったが、送りバントの構えから初球のストライクをバットを引いて見送る間に、門脇は絶妙のスタートを切り、悠々と二塁を奪った。今季5つ目の盗塁成功(2盗塁死)に、原監督は「機動力を使えるのでね。ウチにとって貴重な存在だと思います」と、ここでも称賛を惜しまなかった。
新人離れした守備、走塁に比べると、打撃は打率.203(158打数32安打)と課題がある。しかし、4、5、6月にいずれも1割台だった月間打率が7月は.269に上がっており、徐々にプロの投球に順応しつつある。原監督は「凡打しても(バットを強く)振れるという、彼の最大なる特長がありますね。小手先の打撃ではなく、振れるというのが彼の最大の魅力だと思います」と高く評価している。
カウント2-0から代打・長野を送られ交代も…向上する打撃
3点リードで迎えた7回には、1死二塁で中日5番手の左腕・斎藤綱記投手に対し打席に立つも、カウントが2-0となったところで、38歳のベテラン・長野久義外野手を代打に送られベンチへ退いた。
原監督は「2-0というカウントになったのでね。それは門脇がしてくれたことでね。それに対してチョーさん(長野)、さあ行けというところですね」と説明した。
創価大時代には東京新大学野球リーグで首位打者を2度獲得するなど、打撃にも定評があった。この先、代打を送られなくなる頃には、不動のレギュラーどころか、日本を代表するプレーヤーになっているかもしれない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)