絶対エースに21歳の“至宝”も… 3連覇狙うオリを支える「バファローズ山脈」

オリックス・山本由伸、山崎福也、山下舜平大(左から)【写真:球団提供】
オリックス・山本由伸、山崎福也、山下舜平大(左から)【写真:球団提供】

山本は3年連続の投手4冠が射程圏、山崎福は自身初の2桁勝利まであと「2」

 オリックスはリーグ3連覇へ向けて快調に首位を走っている。チームでは近年、名字が「山」という漢字から始まる選手たちの活躍が目立っている。山本由伸投手、山岡泰輔投手、山崎福也投手、山崎颯一郎投手と、いずれも主力を担う投手たち。チームに対する貢献度の高さもあり、「バファローズ山脈」と称されている。

 それに加えて、今季は大ブレークを果たした山下舜平大投手が新たに先発陣に加わり、盤石の投手陣を形成しつつある。さらに、リリーフ左腕の山田修義投手と、内野のユーティリティを務める山足達也内野手の貢献度も高く、バファローズ山脈の広まりは増すばかりとなっている。

 今回は、先述した投手の今季の活躍ぶりを確認し、、メンバーの中で唯一の野手である山足のキャリアも振り返り、2023年の「新・バファローズ山脈」のさらなる躍進にも期待を寄せたい。(成績は8月8日の試合終了時点)

 山本はリーグトップの11勝を挙げ、防御率も1.57。今季もハイレベルな成績を残しており、3年連続の投手4冠という快挙達成の可能性もある。まさにエースという投球で、首位を走るチームを力強くけん引している。

 山岡は今季も先発ローテーションの一角として登板を重ね、6月末の時点で防御率1.86と好投を続けていた。しかし、7月に入ってから調子を崩し、中継ぎに配置転換。7月29日には2回無失点に抑えてホールドを記録するなど、リリーフとして新境地を開いている。

 山崎福は7月末の時点で、既に自己最多タイの8勝をマーク。同じく左腕の田嶋大樹投手が戦列を離れる中で、先発投手陣を支える存在となっている。今後も好投が続けば、自身初の2桁勝利、さらには最高勝率のタイトルに手が届く可能性もある。

 山崎颯はセットアッパーとしてフル回転を見せ、チームトップの21ホールドを記録し、防御率1.40と安定感も抜群だ。平野佳寿投手の離脱時は代役としてクローザーを務めて5セーブを記録するなど、今やブルペンになくてはならない存在となっている。

“新加入”の山下は開幕投手デビューから大ブレーク

 それに加えて、今季は山下が開幕投手に大抜擢されるという異例のデビューを果たした。その期待に応えて飛躍し続ける右腕は、山本に次ぐリーグ2位タイの9勝をマーク、防御力も1.73と、リーグを席巻する存在となりつつある。

 さらに、2018年から2021年まで4年連続で30試合以上に登板し、貴重な救援左腕としてチームを支えた山田が防御率1.33と安定した投球を続けている。

「バファローズ山脈」唯一の野手の山足は、2017年のドラフト8位で入団。3年目の2020年に自己最多の63試合に出場すると、内野の全ポジションをこなせるユーティリティ性と堅実な小技を生かし、チームに欠かせない存在となった。

 2021年はキャリア最高の打率.273、出塁率.351と打撃面でも結果を残し、攻守にわたって着実に自らの仕事をこなしてリーグ優勝に貢献。優勝祝勝会で1人だけフライングしてクラッカーを鳴らしてしまったことでも話題を呼んだ。この“やらかし”を契機に、愛されキャラの地位を確立。今季も与えられた出場機会で堅実な働きを見せており、「時代は山足」のキャッチフレーズでファンからも親しまれる存在となっている。

 チームの大黒柱の山本、自身初の2桁勝利に向けて視界良好の山崎福、リリーフとして新境地を開いている山岡、開幕から勝ちパターンの一角として抜群の安定感を示している山崎颯。リーグ連覇に貢献した面々は、今季も確かな進化を示している。それに加えて新たな風を吹かせている山下、前年の不振を払拭して左の中継ぎとして存在感を放つ山田も、“山脈”の一員として貢献している。さらに、山足も7月末から1軍復帰を果たし、例年通りに堅実な働きを見せている点も見逃せない部分だ。

 新たなメンバーも加わり、さらなる広がりを見せている「新・バファローズ山脈」。リーグ3連覇を狙うには欠かせない選手たちの活躍に、残りのシーズンも注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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