3連覇狙うオリの“ジョーカー”山岡 リリーフで見せる新境地「ワクワク感ある」
救援起用のオリックス山岡泰輔「勝ちたい。その気持ちだけです」
■オリックス 4ー3 ロッテ(25日・京セラドーム)
柔軟な発想で生まれた“ジョーカー”が3連覇に向け、チームを加速させる。オリックスの山岡泰輔投手が25日、本拠地・京セラドームでのロッテ戦の7回に3番手で救援登板し、1回無失点の投球を披露した。
1点リードの7回2死一、二塁でロッテの中村奨を空振り三振に仕留めると、グラブをポンとたたき、珍しく叫んだ。春先から先発ローテーションの一角を担っていた右腕が7月中旬から“新天地”でも奮闘している。
「先発との違いですか? (考え方が)変わることはないですね。勝ちたい。最後にみんなで喜べるように、勝利に貢献したい。その気持ちだけです。(僅差の救援マウンドも)楽しいですよ。1点が許されない場面も、ワクワク感はありますね」
その言葉が深く染みる。18日の日本ハム戦では同点の10回からマウンドに上がり、3イニングを無失点に封じた。先発の軸として活躍した山岡だからこそ託される起用法にも「与えられたところでしっかり自分の役割を果たしたい。僕はその気持ちだけですから」とサラリ。試合前練習では後輩の投手らに率先して声を掛け、心地の良い雰囲気を作っている。
プロ148登板で130度の先発マウンドも“新天地”へ
山岡は今季先発で12、救援で10の計22試合のマウンドに上がっている。プロ通算では148登板で先発が130。ローテの柱だった山岡に、中嶋監督ら首脳陣が新たな“配属先”を伝えた背景がある。
オリックスはエースの山本がリーグトップの12勝、山崎福、宮城、山下が9勝をマークしている。25日の試合前練習からは左腕の田嶋も1軍再合流。ここに昨季の胴上げ投手でもあるワゲスパックや、育成出身の“秘密兵器”東らを加える先発ローテーションは頼もしい。
そこに、山岡がブルペン待機することによって、さらに厚みが増す。先発が早い回でマウンドを降りたとしても“第2先発”の役割ができ、僅差の場面でも信頼して送り出せる投手が1枚増える。山岡にブルペン陣の様子を聞くと「みんな自然体で(雰囲気は)すごく良いと思います」と頷き、すでにマッチしている。
救援待機となってから“モデルチェンジ”したのは髪色だった。あるタイミングで金髪を銀髪に変えたが、25日には再び金髪に戻っていた。「基本的に美容師さんにお任せしています。また変えると思いますよ」。良い意味で“決め事”がないだけにフィットする可能性は高い。適性は試してみないとわからない。
(真柴健 / Ken Mashiba)