藤浪晋太郎は「天井知らず」 4月防御率13点からの大躍進…元相棒が贈ったエール

オリオールズ・藤浪晋太郎【写真:ロイター】
オリオールズ・藤浪晋太郎【写真:ロイター】

アスレチックス時代の相棒ランゲリアーズが語る藤浪

 オリオールズの藤浪晋太郎投手は、メジャー1年目の今季ここまで防御率7.53ながら、ア・リーグ東地区1位を走るチームで奮闘している。アスレチックスで開幕した4月は、防御率13.00からのスタート。苦楽を共にしたかつての“相棒”シェイ・ランゲリアーズ捕手は「私たちは、フジは天井知らずだと思っていた」と移籍後の活躍に太鼓判を押す。

 藤浪と25歳のランゲリアーズは、メジャー初登板となった4月1日(日本時間2日)の本拠地・エンゼルス戦からバッテリーを組んだ。この試合では3回に突如乱れ、5安打8失点で降板したが、ランゲリアーズは当時を振り返り「初回に2奪三振をマークした。そのとき、マウンドから降りる姿が最高だった。いい光景だった。フジはいつも楽しんでいて、彼の人柄を表していた場面だった」。今でも思い出す。

 先発で開幕から4戦4敗、防御率14.40の成績で、5試合目からリリーフに配置転換。「ここでのプレーは初めてで、新しいチーム、新しい人たち。色んな人が違うことをアドバイスしていた」と回顧。5月も防御率10.53と打ち込まれたが、徐々に環境に慣れていった姿を覚えている。

「(最初は)圧倒されたとは言いたくないけど、(時間が経つにつれて)慣れてきた。(物事を)シンプルに捉え、フジらしい投球ができるようになった」

アスレチックスのシェイ・ランゲリアーズ【写真:ロイター】
アスレチックスのシェイ・ランゲリアーズ【写真:ロイター】

移籍後は19試合登板で1勝0敗1セーブ…「素晴らしいものを持っている」

 6月は1勝2敗1ホールド、防御率4.35、7月は防御率2.93と徐々に改善させていった。チームはア・リーグ西地区の最下位を“独走”していて、トレード期限前には売り手に回った。藤浪はオリオールズにトレード移籍した。新天地では19試合に登板し、1勝0敗1セーブ、防御率4.95。打ち込まれる場面もあるが、首位争いをするチームの中で、カギを握る存在になっている。

「信じられないほど、素晴らしいものを持っている。衝撃的な速球、スライダー、スプリット。初めてのメジャーで、移動ややり方に苦労したと思う。やらなければいけないことが沢山あったけど、球界の人なら誰しも、フジ(の才能)は天井知らずで、素晴らしい選手になると言うと思う」

 藤浪が抜けたアスレチックスは2日(同3日)時点で、41勝95敗の借金54。結果は最悪だが、「若手が集まるチームなので(成績が振るわず)タフな1年だったけど、団結することができたと思う。(来年)強くなって戻って来る」と気持ちはすでに前を向いている。かつての相棒は、いつかプレーオフで藤浪と対戦できることを心待ちにしている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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