阪神・佐藤輝明の進化「変わってきた」 専門家が指摘…克服しつつある“打席での対応”
阪神は優勝マジックを3つ減らし「7」、今季4度目の7連勝をマーク
■阪神 5ー1 広島(9日・甲子園)
阪神は9日に甲子園で行われた広島戦に5-1で勝利し、優勝マジックを3つ減らし「7」とした。今季4度目の7連勝をマークし貯金は今季最多の「32」。2位・広島に力の差を見せつけた勝利に野球評論家・新井宏昌氏は「僅かな可能性を潰す、勝負ありというカード勝ち越しだった」と振り返った。
“アレ”に向けて勢いは止まらない。2回にノイジーの右前適時打、大竹の左翼線適時二塁打など5安打を集中し一挙4得点を奪うと、投げては先発の大竹が6回2/3、5安打1失点(自責0)の好投で6年目にして自身初の10勝目をマークした。
岡田監督がみせた盤石の試合運びに新井氏も「犠打からバスターに切り替えタイムリーを打った大竹の場面もそうだが、余裕があるからこそできる作戦」と指摘。会心の当たりだけでなく、テキサスヒットも飛び出すなど勢いの差が如実に出た一戦に「何もかもうまくいく阪神、何もかもうまくいかなかった広島。阪神の強さを見せつけた2試合だった」と分析した。
広島のエース・森下から序盤で奪った大量得点。投手・大竹が放った“まさか”の適時打も効果的だったが、新井氏は「先頭打者として厳しいコースの直球を打ち砕いた。シーズン終盤に入り打撃内容が変わってきた」と、森下が投じた147キロの内角高めを完璧に捉え、口火となる右中間二塁打を放った佐藤輝に注目した。
佐藤輝は6試合連続安打と好調をキープ
佐藤輝はシーズン序盤は力のある直球に差し込まれ、ボール球に手を出し凡退する場面が見られ、打率も2割前半を行ったり来たり。だが、8月は打率.300と復調すると13四球を選び出塁率.381をマーク。9月に入っても7試合で打率.364と好調をキープしている。
他にはない長打が魅力だが、この日で6試合連続安打と打率も.246まで上昇。試合を重ね数字を上げてきた和製大砲の変化に新井氏は「序盤に比べると右足の上げ方、膝を柔らかく使うことで動きが小さくなった。早めに準備ができ、ブレがなくボールを見ることができる。見逃し方にも余裕が生まれている」と、好調の要因を指摘した。
阪神は1、2番コンビの近本、中野が出塁し、不動の4番・大山が走者を返すのが得点パターン。それでも、終盤に差し掛かりドラフト1位ルーキー・森下の活躍、状態を上げてきた佐藤輝が打線を引っ張っている。「投手力の踏ん張りはもちろんだが、終盤は打線の頑張りも大きいのではないでしょうか」と分析した。
盤石の投手陣に厚みの増した打線。2008年の歴史的V逸は過去の話。岡田阪神が“アレ”に向けカウントダウンを加速させる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)