約2か月勝ち続けるロッテ・ボルシンガー 9連勝10勝目に「何とか10勝を、と」
27日に第1子が誕生したばかり、夫人に付き添い「30時間くらい起きていた」
■ロッテ 5-2 ソフトバンク(30日・ヤフオクドーム)
ロッテのマイク・ボルシンガー投手が、リーグ1番乗りで2桁10勝に到達した。30日、敵地ヤフオクドームで行われたソフトバンク戦。先発マウンドに上がった右腕は鷹打線を散発3安打に封じて7回1失点の好投。27日に誕生した第1子となる長男に贈る白星をあげ「今日は特別な日になった。ウイニングボールを早く届けたいと思っているよ」と笑顔を浮かべた。
ほとんど付け入る隙を与えなかった。序盤から味方打線から援護点をもらったボルシンガーは次々とアウトを積み重ねていった。許した安打は3本だが、1本は内野安打、もう1本は外野の前にポトリと落ちるヒット。打ち返された安打は4回に柳田に打たれた左翼フェンス直撃の二塁打だけだった。
失点は内野ゴロの間に失った1点のみ。危なげのない投球で7回まで投げ抜いた。ストレートの威力、制球ともに良く、そこにナックルカーブやスライダーなどの変化球を交えた。その中でも本人が自賛したのはスライダー。「今日はスライダーが良かった。早いカウントでストライクが取れたし、真っ直ぐも思っていた以上に走っていたけど、スライダーの比率が多くなったね」と、この日の好投の要因を振り返った。
27日に長男が誕生。予定日は26日の火曜日だったが、1日ずれ込んだ。異国の地での出産となったローレン夫人に右腕も付き添った。誕生したのは27日の午前11時3分。ボルシンガーも寝ずに夫人をサポートし続け、この日の試合後には「30時間くらい起きていたよ」と笑顔で振り返った。子供が生まれた直後ということもあり、試合を終えると、すぐに千葉で待つ家族の下へと戻っていった。
2勝目をあげた5月4日の日本ハム戦から9戦9勝で、リーグ1番乗りの10勝に到達。12試合の先発で10勝1敗、防御率は2.20となった。勝率は驚異の9割9厘。「目標は言っていなかったと思うけど、心の中では何とか10勝を、と思って臨んできたので、10勝することが出来て嬉しく思うよ。チームメートや打者たち、監督、コーチにも感謝したい」と語った“超優良助っ人”のボルシンガー。ロッテの上位進出に向けて、この男ほど頼もしい存在はいない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)