前年101勝も…529億円“銀河系軍団”が壮絶な転落 屈辱の負け越し、PO逸の悲哀
史上4チーム目の、前年100勝からの負け越しの屈辱
■フィリーズ 5ー4 メッツ(日本時間23日・フィラデルフィア)
「勝利はお金で買えない……」。はからずも証明してしまったのが、今季のメッツだ。9月21日(日本時間22日)のフィリーズ戦で4-5で敗れ、今季82敗目となりシーズン負け越しが決定。翌22日(同23日)の同カードでも黒星を喫し、ポストシーズン進出の可能性が消滅。今季のチーム年俸総額3億6400万ドル(約529億円)はメジャー1位。“金満球団”にとって屈辱の1年となった。
大富豪のスティーブ・コーエン氏をオーナーとするメッツは、ここ数年、大型補強を展開。昨季開幕前にはサイ・ヤング賞3度のマックス・シャーザー投手と3年総額1億3000万ドル(約197億円)で契約を結び、今季は同じく3度の受賞歴のあるジャスティン・バーランダー投手を2年8600万ドル(約127億円)、守護神のエドウィン・ディアス投手と5年1億200万ドル(約177億円)で再契約、さらにソフトバンクから千賀滉大投手も5年総額7500万ドル(約111億円)を迎え入れ、“銀河系軍団”を形成した。
しかし、開幕を前に暗雲が漂い始める。プエルトリコ代表としてWBCに出場したクローザーのディアスが、チームメートと歓喜のダンスを舞っていた際に右膝を負傷。今季全休の手術を受けることになった。守護神を欠いたチームは3、4月こそ15勝12敗の貯金3と勝ち越したものの、6月は7勝19敗で12の負け越し。この時点で首位ブレーブスとは18.5ゲーム差をつけられ、夏のトレード戦線ではシャーザーやバーランダーら主力を放出して“白旗”をあげることになった。
21日(同22日)の試合に敗れ、今季の負け越しが決定。MLB.comによれば、前年にシーズン100勝以上(101勝)を挙げたチームが翌年に負け越すのは、1986年のカージナルス以来37年ぶり、史上4度目の珍事だという(短縮シーズンを除く)。それでも、オーナーのコーエン氏は今後も補強を続けることを示唆。今オフにFAとなるエンゼルス・大谷翔平投手を狙っているという噂が絶えない。今季は“失敗”のシーズンに終わったが、果たして来季はニューヨークに笑顔が戻ってくるのだろうか。
(Full-Count編集部)