育成→MLB新人王候補へ…千賀滉大が大成功のワケ 指揮官も興奮した“鋭い目”と人柄
米メディアがメッツの千賀滉大獲得までの経緯を披露
20日(日本時間21日)のマーリンズ戦で12勝目をマークするなど、メジャー挑戦1年目で新人王やサイ・ヤング賞候補にも挙がるほどの活躍を見せている千賀滉大投手。メッツとしても大成功の補強となったが、どのような経緯を経て右腕の獲得に至ったのだろうか。米国メディアがその裏側を披露しているが、大きなポイントとなったのは“人柄”だったようだ。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のウィル・サーモン氏が8日(日本時間9日)に公開した記事によると、バック・ショーウォルター監督や編成部が獲得前に注目したのは、千賀の投球内容ではなく“顔つき”だったという。指揮官はその鋭い目を見て「競争を恐れていないことが伝わってくる」と高評価。ビリー・エプラーGMもまた、育成契約から1軍の戦力になった経歴を知った時点で、「ソフトバンクの試合では彼を見るように」と部下に命じたという。“這い上がってきた苦労人”という野球人生が気に入ったのだ。
さらに、監督が感心したのは契約交渉時の千賀の振る舞いだった。千賀は高校時代の友人も同行して本拠地シティ・フィールドを訪れたが、「友人への接し方にとても感心した。『お前は俺の従者だ』という感じではなく、平等に接していた。この男は、私たちのロッカールームにフィットすると思った」と指揮官は振り返る。すぐさまジェレミー・ヘフナー投手コーチに連絡し、「本当にこの男を気に入った。興奮している」と伝えたというから、よほど感銘を受けたのだろう。
記事では、ヘフナーコーチの「ここは世界で最も大きい都市。つまり、世界で最も大きい“野球都市”だ。ボールだけでなく食事、(マウンドの)土、移動、メディアにも適応しなければいけない」という言葉も紹介。ニューヨークという競争も激しく多様性のある大都市での成功には、闘争心と共に、他人への思いやりや広い心も必要で、千賀はその両方を兼ね備えていたということだろう。剛速球や“お化けフォーク”だけではない武器が、メジャーでの成功を後押しした。
(Full-Count編集部)