170キロ生み出す“驚異の肉体” 体脂肪率5%…エ軍の超怪力23歳「球速記録を破りたい」
ジョイスは295キロを持ち上げる超怪力「可能な限り体を強くしようと」
9年連続でポストシーズン進出を逃したエンゼルスで、来季への希望の星が剛腕ベン・ジョイスだ。昨年ドラフト3巡目(全体89位)でエンゼルス入りし、今年5月29日(日本時間30日)の敵地・ホワイトソックス戦でメジャーデビュー。6月10日(同11日)から右尺骨神経炎で約3か月間離脱したものの、10試合登板で1勝0敗、防御率2.00。フォーシームの平均球速101.0マイル(約162.5キロ)はリーグ2位(メジャー2位タイ)とパワフルな投球を見せている。
「うまくいっているよ。たくさんのことを学んでいる。ここにいられることを感謝している。戻って来られて嬉しいし、可能な限り多くのことを学ぼうとしているところさ」
「とにかく打者のレベルが格段に上だからね。だから一球を投げるごとに集中しないといけない。ミスに付け込んでくる。それに試合数も多いしね」
6月3日(同4日)の敵地・アストロズ戦ではメジャー自己最速103.2キロ(約166.1キロ)を記録。だが、まだこんなものではない。テネシー大学時代に記録した自己最速105.5マイル(約169.8キロ)の更新にも「是非とも記録を破りたいね。とにかく毎日懸命にプレーするだけだ」と意欲十分だ。
身長196センチ、体重102キロの堂々の体格。ムキムキの肉体で、現役時代のイチロー氏(マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター)が6%台と言われている体脂肪率は「5%くらい」だという。下半身や広背筋を鍛えるデッドリフトでは650ポンド(約294.8キロ)を3度持ち上げるというが、このオフはその肉体をさらに鍛え上げるつもりだ。
「可能な限り体を強くしようと思っているんだ。体の強さをより多く感じられれば、さらに強い球をもっと続けて投げられると思うし、体への負荷にも対応できると思う。体をもっと強くして、来年は1年を通して健康を保っていくことを目指していくんだ」
春季キャンプ中、大谷翔平投手について「ショウヘイから学べるので興奮している」と語っていた。シーズン中も二刀流の凄さを目の当たりにしてきた。
「大事なことは日々のルーティンかな。フィジカルの面での準備だったり。ビデオルームではスカウティングレポートを確認したり、トレーニングルームでは毎日同じ準備をしている。投打で球界最高レベルの選手だから、毎日ルーティンを行う姿は見ていて、かなりクールだね」
テネシー大学時代は先発だったが、「来季も救援として投げると思う。ブルペンから投げる準備をしていくよ」と意気込む。170キロ超の剛速球で、試合を締めくくる。そんな場面を見てみたいものだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)