「可愛らしいのは合わない」 両親は涙で祝福…オリックスのチアにこだわり掴んだ夢舞台
幼少期からクラシックバレエなど多彩な習い事で表現力を磨いたMOEさん
オリックスが果たしたリーグ3連覇の裏には、勝利の女神たちがいた。総勢14人で構成される公式ダンス&ヴォーカルユニット「BsGirls」。Full-Countでは、選手と共に「We can do it!」を合言葉に奮闘するメンバーの素顔を取り上げていく。第9回は“コンプレックス”を強みに変え、輝きを放つMOEさんにスポットを当てる。
シーズン開幕から勝利を積み重ね、優勝マジック「2」で迎えた9月20日のロッテ戦。本拠地・京セラドームはファンで埋め尽くされ、歓喜の瞬間を迎えた。グラウンドでパフォーマンスを披露するMOEさんは、平静を装いながらも、今まで味わったことのない緊張感に包まれていた。
「こんなに幸せなことはありません。毎日、1秒1秒を大切にしてきたなかで、ファンの皆様と最高の瞬間を共にできた。自分の夢を諦めないで本当に良かった。BsGirlsじゃなきゃダメだったんです」
ダンスのみでチームを鼓舞する一般的なチアではなく、歌とダンスでパフォーマンスを行う球界初の「ダンス&ヴォーカルユニット」というコンセプトに惹かれた。クールなビジュアルにも憧れ「私は見た目がきつい顔なので……。ポンポンを持ったり、可愛いらしいのはイメージに合わない。衣装もカッコよくて『ここでダンスがしたい』と心から思ってました」。
3歳から始めたクラシックバレエの柔軟性などが評価され、見事合格を勝ち取った。表現力を磨くためにバレエ以外にもピアノや書道など、幼い頃に多くの習い事を経験したことも生きた。
「本当に夢じゃないかと。これまで何も言わずに好きなことをやらせてもらったので……」
幼いころからMOEさんの夢を応援し続けてくれた両親は、泣いて喜んだという。
パ・リーグでは21世紀初となるリーグ3連覇を、加入1年目で経験。諦めず、自らが選んだ道は間違いではなかった。「これからも全力スマイルで、ファンの方と共に日本一を目指していきます」。MOEさんの夢はまだ始まったばかり。連続日本一を手にし、最高の瞬間を味わうつもりだ。