助っ人4人でわずか13本、期待の大砲は大不振 かつては宝庫も…崩壊した“中日ブランド”

中日のソイロ・アルモンテ、オルランド・カリステ、ダヤン・ビシエド、アリスティデス・アキーノ(左から)【写真:荒川祐史】
中日のソイロ・アルモンテ、オルランド・カリステ、ダヤン・ビシエド、アリスティデス・アキーノ(左から)【写真:荒川祐史】

メジャー41発アキーノはわずか1本塁打…相次ぐ助っ人の不振で貧打解消の目途立たず

 中日は4日、アリスティデス・アキーノ外野手、ソイロ・アルモンテ外野手に来季の契約をしないことを通告したと発表した。メジャー41本塁打のアキーノは20試合で打率.154、1本塁打、6打点と大低迷。3年ぶりの復帰となったアルモンテも打率.264、1本塁打、2打点と貢献できずに終わり、期待の新戦力の不振がチームの成績に影を落とす結果となった。かつては優良助っ人の宝庫だった中日の“ブランド”崩壊はいつから始まったのだろうか。

 今季の中日は、長年の課題であった長打力不足解消のため、積極的に補強を敢行した。しかし、大砲候補として期待されたアキーノとアルモンテはともに1本塁打の惨状。ダヤン・ビシエド内野手の6本とオルランド・カリステ内野手の5本と合わせても、助っ人4人でわずか13本塁打。チームトップの細川成也外野手の24本には遠く及ばず、チーム本塁打71本はセ・リーグで最少だ。

 かつては優良助っ人が多く誕生していた。90年代にはアロンゾ・パウエル外野手やレオ・ゴメス内野手が主軸を担う活躍をした。落合博満監督時代にはタイロン・ウッズ内野手(横浜から移籍)やトニ・ブランコ内野手が広いナゴヤドーム(現バンテリンドーム)でもお構いなしに本塁打王を獲得した。2017年にもアレックス・ゲレーロ内野手が来日1年目で本塁打王に輝くなど、印象的な活躍をした選手も多い。

 しかし、2011年シーズン限りで落合監督が退任してからは、助っ人野手の成功例が極めて少ない。戦力として機能したのは、2016年に入団したビシエドと、上記のゲレーロ、加入1年目の2018年に.321を記録したアルモンテなどごくわずか。近年では2021年に入団したマイク・ガーバー内野手が12試合で打率.156、本塁打は1本も放つことができずに退団するなど、“想定外”の不振に悩まされる事が多い。チームの弱点を補強したはずだが、助っ人が活躍しないことで、さらに弱点が増えたとも言える。

 投手では2018年に入団したライデル・マルティネスが絶対的守護神に定着するなど、一定の成果を残しているが、球団の最優先課題が長打力不足解消なのは一目瞭然。過去の“失敗”を踏まえてスカウティング方針の見直しも必要となる。“強竜復活”へ編成部門の手腕が問われるオフになりそうだ。

【写真】中日助っ人の“太ましい”筋肉 バンテリンDも苦にしないパワー発揮なるか

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY