タイトルホルダーが迎えた正念場 大砲は本塁打ゼロ…世代交代に立ち向かう3選手
2010年の本塁打王・T-岡田は本塁打ゼロに終わった
プロ野球の第1次戦力外通告期間が13日に終了し、計99人が野球人生の岐路に立たされた。その中には、過去に盗塁王4度を誇る楽天・西川遥輝外野手や2009年に最多安打を獲得した巨人・中島宏之内野手、2017年に最高勝率に輝いた広島の薮田和樹投手の名も含まれていた。新陳代謝の激しい野球界では世代交代はつきもの。過去のタイトルホルダーの中にも、徐々に出場機会が減り、復活に向けて正念場を迎える選手も存在する。
日本ハムの中島卓也内野手は2008年ドラフト5位で入団すると、4年目の2012年から1軍での出場機会が増えた。遊撃の定位置を掴み、堅守と粘り強い打撃でチームに貢献。俊足も魅力で、2015年には34盗塁でパ・リーグ盗塁王に輝いた。近年は、徐々に出場機会を減らし、今季は1軍定着後では最少の17試合出場にとどまった。昨年からは外野守備にも挑戦している。首脳陣のニーズに応えて、出場機会増を狙いたい。
2016年、2019年に盗塁王を獲得した西武・金子侑司外野手も、過去2年の出場は44→47と不本意な結果に。持ち前の脚力でも、盗塁数が3→1と減少傾向となっている。ルーキーの蛭間拓哉や、今季10盗塁を記録した鈴木将平らの若手が台頭しつつある外野陣の中で、厳しい競争が待っている。
リーグ3連覇を果たしたオリックスの中では、T-岡田外野手の出場機会が減少している。2010年に33本で本塁打王を獲得し、その後も持ち前の長打力でファンを魅了してきた。2021年には17本を放ちリーグ制覇に貢献も、ここ2年は打率1割台と低迷。本塁打もルーキーイヤー以来の0本となり、長打力も影をひそめた。
多くの選手がプレースタイルや調整法を見直す時期である30代中盤。それはかつて“栄光”を手にした者でも例外ではない。正念場を迎えた選手が、グラウンドで新たな“価値”を見つけ出し、復活を遂げる姿を期待したい。
(Full-Count編集部)