吉田正尚が愛のエール「もっと突き上げて」 先輩・杉本は絶妙切り返し「ちゃんと喋れた?」

二塁打を放ち、ピースサインをするオリックス・杉本裕太郎【写真:荒川祐史】
二塁打を放ち、ピースサインをするオリックス・杉本裕太郎【写真:荒川祐史】

吉田正尚の人生初解説を楽しみにしていた、オリックス・杉本裕太郎

 スーツ姿でテクテク歩く“後輩”を呼び止めた。「あ、正尚! ちゃんと喋れた?」。オリックスの杉本裕太郎外野手は、レッドソックス・吉田正尚外野手の「人生初テレビ解説」を楽しみにしていた。約束はしていなかったが、帰路に就こうとする吉田と偶然タイミングが重なった。笑顔で「打ち方どうやった?」と質問を入れると、海の向こうで躍動する後輩はニヤリと笑っていた。

“ラオウ”が心待ちにしていたのは、18日に京セラドームで行われたパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦のテレビ解説だった。青学大時代から付き合いのある2学年下の吉田が、スペシャルゲストとして登場。古巣のにエールを送りながら、視聴者を楽しませた。

 吉田がゲスト出演すると聞いた杉本は「根っからの良い子なのでね。初めての解説なので、何を話したら良いのかわからないんじゃないかな……という予想です(笑)。(共演は)慣れている能見さんとのペアなので、良い感じだと思います」とうれしそうな表情で語っていた。

 試合では、1点を追う6回無死一塁から同点に追いつく適時右中間二塁打を放ち、二塁上でピースサイン。解説席に座っていた吉田も「しっかりはじき返しましたね。最高です」と先輩の一打を絶賛していた。

ファーストピッチセレモニーに登場したレッドソックス・吉田正尚【写真:荒川祐史】
ファーストピッチセレモニーに登場したレッドソックス・吉田正尚【写真:荒川祐史】

吉田は、先輩・杉本に「もっともっと打ってほしい」

 杉本は「正尚が何を話すのか楽しみにしていましたけど、僕ら選手は試合中なので(中継の)情報が入ってきません。また確認しておきたいなと思っています」。中継を見た知人から情報収集するつもりだった。

 2人は2015年ドラフト1位(吉田)と10位(杉本)でオリックスに入団。青学大時代と同じ「3番・吉田」「4番・杉本」でチームを牽引した。吉田は、今季の杉本に「もっともっとできると思う。数字(成績)には納得いっていないでしょうし。(選手会長で)チームを引っ張る立場でやっていると思いますし、もっともっと打ってほしいと僕としても思う」と愛情を込めてエールを送った。

 さらに吉田は「もっともっと、突き上げてほしいと思いますね、拳をね(笑)」と“昇天ポーズ”の連発に期待。微笑ましく、良好な関係が続いている。

○著者プロフィール
真柴健(ましば・けん)1994年、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年、日刊スポーツ新聞社に入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間、爆速で「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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