球団初の偉業から5年…功労者2人が戦力外 広島、元新人王をも襲う“世代交代の波”

広島・一岡竜司、薮田和樹、岡田明丈(左から)【写真:荒川祐史、加治屋友輝】
広島・一岡竜司、薮田和樹、岡田明丈(左から)【写真:荒川祐史、加治屋友輝】

2017年の優勝に貢献した薮田和樹と岡田明丈、両右腕に戦力外通告

 広島は今季、シーズンを2位で終えると、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを2連勝で勝ち上がり、18日から阪神とのファイナルステージに挑んでいる。広島がCSに進出したのは優勝した2018年以来。当時、選手として優勝を経験した新井貴浩氏が監督となり、若手として躍進の原動力となった菊池涼介や田中広輔がチームを支えている。球団初の3連覇(2016年~2018年)から5年、1軍で活躍する選手がいる一方で、世代交代の波にのまれた選手もいる。

 2017年に先発の柱として活躍した薮田和樹と岡田明丈、2人の右腕はシーズン終了後に戦力外通告を受けた。連覇を果たした2017年、薮田は自身初の2桁となる15勝(3敗)をマークして最高勝率のタイトルを獲得。岡田も初の2桁・12勝(5敗)をあげ、2人で27勝8敗と19の貯金をつくり、優勝に大きく貢献した。しかし2018年以降、両右腕ともに目立った結果を残せず、次第に1軍マウンドから遠ざかっていった。

 今季限りでの現役引退を表明した一岡竜司は、2016年から強力ブルペン陣の一翼を担い、2017年と2018年は自己最多の59試合に登板した。どんな場面の登板にも闘志溢れる投球で応えてきたが、怪我の影響もあり、2020年以降、1軍登板は2022年のみで2軍での調整が続いていた。

 プロ5年目の2016年に、16勝をあげて最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した野村祐輔も岐路に立たされている。今季は12年間でワーストの6登板に終わり、勝ち星はわずかに1つ。新人王を獲得し、デビューから208登板全てで先発する日本記録保持者である34歳右腕の巻き返しに期待したい。

 一方、3連覇を果たした間のドラフトでは、今のチームを支える選手が入団している。2016年1位の矢崎拓也は今季54試合に登板し、4勝10ホールド24セーブ、同年3位の床田寛樹はチームトップの11勝で防御率2.19。2018年2位の島内颯太郎は42ホールドポイントで最優秀中継ぎに輝いた。同年1位の小園海斗は遊撃のレギュラーとしてCSでも躍動している。

 タイトルホルダーでも安泰はなく、世代交代の波が常につきまとうのがプロの世界。球団初の偉業に貢献した選手たちが再び輝きを放つことができるか、彼らの奮起に期待したい。

(Full-Count編集部)

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