2軍で貢献度リーグ1位がなぜ戦力外に? 右打者不足のはずが…高かった1軍の壁
ソフトバンクを戦力外も…ウエスタンでWAR1位を記録した増田珠
ソフトバンクの増田珠内野手が28日、球団から来季の支配下契約を締結しない旨を通告された。地元九州の長崎県出身で、2017年のドラフト3位で横浜高から入団してから6年、24歳での戦力外となった。「野球は大好きなので、辞める選択肢は今のところはない」と現役続行を希望している。
今季は1軍でこそ35試合で打率.182、1本塁打、3打点にとどまったものの、2軍では特筆すべき数値を残している。セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標であるWAR(wins above replacement)は「3.6」で、200打席以上の野手ではウエスタン・リーグでトップ、イースタンを含めても楽天・西川遥輝に次ぐ2位の高さだ。
2軍では61試合に出場し、バッティングでは打率.250ではあるものの勝負強さを発揮。また、守備での貢献度が高く、登録の内野では一塁16試合、二塁6試合、外野でも左翼8試合、中堅4試合、右翼が最多44試合とオールマイティにこなした。宮崎で行われていたフェニックス・リーグにも参加しており、チームの課題でもある右打者不足を解消する戦力とも考えられたが、プロ3年目の井上朋也内野手の台頭もあるなど1軍の壁は厚かった。
本人が「監督自身もちょっとビックリしていた」と語ったように、小久保裕紀新監督も戦力として考えていたようだ。この“貢献度の高さ”を評価する新天地でチャンスをつかむことができるか、注目したい。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。