オリ守護神の衝撃数値「.000」 毎登板走者許す“劇場ぶり”も…土壇場で踏ん張る珍現象

オリックス・平野佳寿【写真:荒川祐史】
オリックス・平野佳寿【写真:荒川祐史】

平野佳は1点リードの9回に登板…2死一、二塁でフルカウントから三振斬り

 オリックスは10月31日、阪神との「SMBC日本シリーズ2023」第3戦(甲子園)に5-4で勝ち、対戦成績を2勝1敗とした。9回に登板したのは日米通算250セーブを誇る平野佳寿投手。2死一、二塁のピンチを招くも最後はフルカウントから三振で締めた。データを見ても39歳右腕は追い詰められてから無類の強さを誇る。

 1点リードで登板した平野佳は先頭の代打・原口に四球。2死から森下にも四球を与えて一、二塁のピンチを背負う。迎えた大山に対してフルカウントとし、最後は134キロの宝刀フォークで空振り三振に仕留めた。

 百戦錬磨の右腕は追い詰められても動じない。セイバーメトリクスの観点から分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、今年のレギュラーシーズンで平野佳は打者20人にフルカウントとしたが、被打率はなんと.000。4つの三振を奪っていた。

 昨季の被打率も.056。この2年間で被安打は1本だけで、投手も打者もギリギリの場面で、しっかり結果を残している。また、1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値「WHIP」は今季1.23で、他球団の守護神らと比べると高かった。しかし防御率はそれを下回る1.13をマークするという“珍現象”も起きている。

 阪神ファンの大声援が甲子園を包み込んでも、びくともしない“胆力”。SNSにも称賛の声があふれた。「神業ピッチングだわ」「さすが劇場型クローザー」「楽しんでる」「ここ抑えるのは流石だわ」。ベテランの投球に酔いしれていた。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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