巨人・阿部監督が“鬼軍曹”になる理由 秋広ら若手悶絶も「ここという時に」
阿部監督は秋季キャンプ2日目に鬼軍曹に「手を抜くから抜かせない」
巨人の阿部慎之助新監督が2日、“鬼軍曹”と化した。宮崎での秋季キャンプ2日目。秋広優人内野手に密着マークし、体力強化メニューを施した。「手を抜くから抜かせない。昨日の練習だけで3キロ落ちたらしいから、今日は6キロいこうと。6キロいって7キロ食べようと」と話した。
割と静かだったキャンプ初日から一転。阿部監督が早くも“本領発揮”だ。一塁側ファウルゾーン。下半身強化を図る秋広に声をかけた。「いってみようか」。重りを担いだ状態で腰を落として10秒間キープ。ここから一味も二味も違った。「5秒、4、3、4、5、6」と残りタイムをしれっと増やしたり、「2、1、ゼッ、ゼッ、ゼッ」とゼロの前に“寸止め”だ。
秋広は「(残り3秒から)6秒はやばいです」「“ゼ”が長いです」などとツッコミを入れながら悶絶。阿部監督と秋広のコントのようなやりとりには、報道陣だけでなく、一塁側に集まったファンから笑いの声も漏れた。だが、指揮官には体力を強化する以上の狙いがある。
「ここという時にきつい練習をしたか、しないかで精神的な強さも弱さも出てくる。それしかないので。手を出せないし。昔みたいに。引っ叩かれて“何くそ”と思ってやってきた時代とは違う。練習メニューの中で厳しさを与えないと、精神修行ができないと思っているので」
阿部監督はその後も秋広のティー打撃でトスをあげ、フリー打撃中には自らバットを手に持ち、実演指導する場面もあった。「絞り上げて、侍に行っていただきます」。3日は侍ジャパン合流前の最終日。阿部監督による厳しい練習が若き大砲候補を待っている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)