阪神が山本由伸を“恐れない”ワケ 初戦KO裏付ける「.265」…12球団最強の驚愕数値

オリックス・山本由伸(左)と阪神・近本光司【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸(左)と阪神・近本光司【写真:荒川祐史】

初戦7失点の山本は150キロ以上の速球で5安打を浴びた

 38年ぶりの日本一か、第7戦に突入か――「SMBC日本シリーズ2023」は4日、第6戦を迎え、阪神は村上頌樹投手、オリックスは山本由伸投手の先発が発表された。第1戦は、3年連続で沢村賞に輝いた山本を、虎打線が攻略。“最強投手”を6回途中7失点でKOし、日本中にどよめきが走った。しかし、今季の阪神打線をデータで見ていくと、山本との相性の良さの一端がうかがえる。

 山本は今季、史上初となる3年連続の「投手4冠」を達成した。切れ味抜群のフォークとカーブを決め球としているが、投球の軸は全体の4割以上を占める速球だ。デビューイヤーから平均150キロを超す快速球は今季自己最速の平均153.0キロに到達。規定投球回をクリアした投手では両リーグ最速だった。

 阪神打線は、投球の中心とも言える速球に対して絶対的な強さを発揮している。セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、阪神の対ストレート打率.265は12球団最高。打席あたりの得点創出の多さを示す「wRC+」も、同2位タイ&セ1位の127をマークした。

 また、150キロ以上の速球に絞っても猛虎打線の勢いは止まらない。打率.25050はロッテ(.25140)、楽天(.25056)に次ぎ同3位、「wRC+」115は2位と、“大台”以上のスピードにも対応。日本シリーズ第1戦を振り返ると、山本は計10安打を喫し、うち5安打は速球を打ち返されている。

 しかも、155キロのシュートを含めていずれも150キロオーバーを痛打されており、阪神の強味が遺憾なく発揮されていた。初戦の再現か、はたまた右腕の本領発揮か。「速球」が一つ鍵を握ることになりそうだ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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