身長178センチも300億円争奪戦「聞いたことない」 山本由伸が直面した「体格の問題」
「MLB球団が大金を出して獲得した178cmの投手がいるなら教えてくれ」
オリックスからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す山本由伸投手は、米メディアでは2億ドル(約302億円)契約も予想され、大争奪戦になるとみられている。米紙「ニューヨーク・ポスト」は「大熱狂の中で小さな懸念が1つある」として、“問題点”を挙げた。
同紙が指摘したのは「サイズ(体格)の問題」だ。「ヤマモトは公式には5フィート10インチ(178センチ)とされており、彼を3番手の先発投手と予想したあるスカウトは『本当に5フィート10インチなのか疑問だ』と言った」という。
あるMLBの幹部は「MLB球団が大金を出して獲得した178センチの投手がいるなら教えてくれ。それを聞いたことがないのには理由がある」。1億7500万ドル(約264億8000万円)以上の保証つきの契約を得た投手は9人いて、その中で最も背が低かったのは6フィート2インチ(約188センチ)のザック・グリンキーだったことを挙げた。
「もちろん背が高い選手が素晴らしいということではない。6フィート5インチ(約196センチ)のスティーブン・ストラスバーグは7年総額2億4500万ドル(約370億7000万円)の契約にサインしたが、その契約中にほとんど投げることはないだろう。6フィート4インチ(約193センチ)のジェイコブ・デグロムは、5年総額1億8500万ドル(約279億9000万円)の契約をしたが、6試合に登板した後、2度目のトミー・ジョン手術が必要になった」といった例もある。
小柄な投手はティム・リンスカムのように短いながらも輝かしいキャリアを収めて消えていくというパターンが少なくないとしながら「おそらく現在なら3億ドルを得るであろう5フィート11インチ(約180センチ)のペドロ・マルティネス、2億ドルを得るであろう5フィート11インチのロイ・オズワルト、公式では6フィート1インチ(約185センチ)となっていたが、そんな身長ではないと言い切れる、デビッド・コーンも2億5000万ドル程度の契約を得ただろう」と成功例を挙げた。
山本を実際に見たあるスカウトは、ローテーションのトップを務めることができる投手だと評価して「サイズは気にならないよ」と語った。またオリックスでチームメートだったフランク・シュウィンデルも「サイズは全く心配していない」「体格で苦しむことはないだろう。本当に特別な男だ」と強調した。
日本でプレーした3人の元MLB選手、山本を実際に見たことのある4人のスカウトと2人の球団幹部の間の中で、体格に大きな懸念を示したのは2人だけ。彼らでさえMLBで成功すると信じていたという。「また、順応性の高さと練習姿勢(の素晴らしさ)もヤマモトの財産と見られている」とされており、やはり山本の人気は高そうだ。
(Full-Count編集部)