3年で戦力外も「いいキッカケに」 24歳左腕が胸中吐露…見据える“次のステージ”
池谷蒼大「トライアウトを受けるために頑張ろうと思っています」
今季限りでDeNAを戦力外となった池谷蒼大投手は、15日に行われる12球団合同トライアウト受検を目指して調整を続けている。「まだやりたいなという気持ちもあります。まずは自分の好きな野球をしっかりやって、トライアウトを受けるために頑張ろうと思っています」と今の思いを明かした。
プロ生活わずか3年で戦力外通告を受けてから1か月以上が過ぎた。「言われたものは仕方ないと、割り切るというかそういう気持ちしかなくて……。悔しい気持ちもないわけではないんですけど、これから先の人生の方が長いので、いいキッカケにしないとなと思うようになりました」。NPBでの現役続行を目指しつつも、頭を駆け巡る数々の選択肢。4日には来季から静岡を拠点にNPB2軍のウエスタン・リーグに新規参加することが内定している新球団「ハヤテ223(ふじさん)」のトライアウトを受けた。
静岡県出身の24歳は、2020年ドラフト5位でヤマハから入団した。ルーキーイヤーは6試合と登板数こそ少ないが、防御率0.00。打者25人に対して被安打2と飛躍の予感を抱かせた。しかし2022年も6試合登板。2軍では31試合で防御率2.67と一定の成績を残していたが“1軍の壁”は厚く、今季は1軍出場なしに終わった。
それでも「ここで野球ができたというのは自分の人生の中で凄くいい経験になりましたし、楽しかった思い出もたくさんあるので。うん、楽しかったです」と清々しい表情を見せる。「一番は、1軍で1勝できたことですね。できない選手も結構いる中で、試合数は少なかったですし運もあるんですけど、勝利できたというのは凄く自分の中で良かったのかなと思います」。2022年4月21日阪神戦、救援して1回無失点で手にしたプロ初勝利に胸を張った。
同じ左腕の今永昇太投手の姿には「野球への向き合い方が凄い」と衝撃を受け、ともに練習して多くのアドバイスをもらった。「プロで戦い抜く選手は凄くストイックで、練習面だったり野球への向き合い方が素晴らしい選手がたくさんいたので、そういう選手を見られて本当に良かったと思います」。DeNAで過ごしたかけがえのない3年間を胸に、次のステージを目指して歩み出す。
(町田利衣 / Rie Machida)