ドラ1候補に厳しい言葉…成長を「問いたい」　ノーノーから1年、152キロ左腕の現在地

環太平洋大の徳山一翔、7回4安打11奪三振1失点の好投

「第54回明治神宮野球大会」の大学の部で、環太平洋大（中国・四国三連盟代表）の最速152キロ左腕・徳山一翔投手（3年）が16日、1年後のドラフトに向け早くも猛アピールの快投を見せつけた。東農大北海道オホーツク（北海道二連盟代表）との初戦で7回を投げ4安打11奪三振1失点で、8-1の8回コールド勝ちに貢献した。

　初回こそ死球と単打で1死一、二塁を招いたが、相手の4番・金子隼人内野手（4年）と5番・良元優斗内野手（2年）から2者連続三振を奪取。流れに乗り、2回2死からは4者連続三振と圧倒した。足がつったことで7回に代打を送られ降板。「（打ち取ることが）難しいと感じるバッターが多かった」と謙遜したが、持ち味は十分に見せつけた。

　この日の最速は149キロ。変化球は、100キロ台のカーブに、スライダー、チェンジアップとどれも一級品だ。他にも、打者にタイミングを合わせていると感じると、あえて130キロ台の直球を投じるなど、同じ速球でも約10キロの緩急をつける器用さも併せ持つ。投球術は、野村昭彦監督から教わった“打者を見る目”を強く意識して習得したという。

　チームは昨年の明治神宮大会で、国際武道大を相手に3投手での継投ノーヒットノーランを達成。先発して7回まで投げたのが徳山だった。あれから1年。もちろん成長したが、野村監督の期待値はさらに上をいく。「『去年の7回ノーヒットノーランから、どれだけ伸びているの？』と問いたい」と言葉を向ける。

　12月には、侍ジャパン大学代表候補の強化合宿（松山・坊っちゃんスタジアム）も控えている。順調にステップを踏み、1年後に見据えるのは「ドラフト1位でいきたい」。自身の夢に少しでも近づくために、まずは秋の大学日本一をつかむ。

（飯田航平 / Kohei Iida）