井端監督が脱帽…巨人22歳は「センスの塊」 恐怖さえ覚える、驚異的な“軌道修正”
韓国戦で優勝を決めるサヨナラ打…大会MVPに輝いた巨人の門脇誠
野球日本代表「侍ジャパン」は19日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」決勝で韓国にサヨナラ勝ちを収め、2大会連続のアジア王者に輝いた。試合を決めたのは22歳の新人、門脇誠内野手(巨人)。井端弘和監督も「怖いなと思います」と驚いた“軌道修正”が劇的勝利を呼んだ。
3-3の延長10回2死満塁、外角のスプリットを強引に引っ張ることなく弾き返した。打球は三遊間を抜けると、門脇はチームメートから手荒い祝福。「今までにない歓声の中で、1本打てたのは自信になった。よかったなと思います」と納得の表情で語った。
優勝後の会見では、落ち着いた表情で質問に受け答えしているのが印象的だった。しかし、試合開始時点では、いつも通りではなかったという。2回1死二塁で迎えた第1打席は強引に引っ張って一飛。8回1死一、二塁のチャンスでも空振り三振に倒れていた。
最終打席に入る前、井端監督はネクストバッターズサークルで待つ門脇に声をかけた。「きょうは強引になっているな、気負っているなと1打席目から感じていたので。門脇選手の良さを引き出してあげようと声をかけました」。「いつも通り打席に入れ」と言葉を送ると、門脇も「初心に帰ることができた」と劇的一打につながった。
大会終了後、井端監督が絶賛したのはその修正力。「こういうときはこう打てばいいんだというのが分かっただけでも、来年、逆に、ああやって1打席で分かっちゃうというのが怖いなと思います。センスの塊かなと思いますね」と驚いた。
今大会、遊撃を守った小園海斗内野手(広島)は4試合で打率.412(17打数7安打)と当たっていた。「特に二遊間の2人というのは、お互い意識し合ってやっているなというのは分かっていましたし、なのでちょっと門脇選手は力みが変わったのかなと思いますね」と井端監督。大会MVPに輝いた22歳が、来年のプレミア12など、国際大会で再び日の目を見るときが来ても全くおかしくない。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)