トイレで聞こえてくる応援歌に「悔しい」 消えた興奮…23歳捕手が実感した心の成長
西武の是澤涼輔は応援歌好き…1番のお気に入りは外崎修汰で「リズムがいい」
育成選手として1年目を終えた西武の是澤涼輔捕手が20日に埼玉・所沢市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の来季年俸400万円(金額は推定)でサインした。法大出身の23歳は、シーズンを通して支配下登録への思いが強くなったことを明かし、来季の2桁背番号への“昇格”を目指す。
大学時代は控え捕手で、東京六大学リーグはわずか4試合の出場。それが今季のイースタン・リーグでは26試合に出場し、打率.207、2本塁打、2打点だったことで、渡辺久信GMから「毎日がキャリアハイの連続だったな」と温かい言葉をかけられたことを明かし「学生時代はあまり試合に出られなかった。成長できて嬉しかったです」と笑みを浮かべた。
「精神的にも成長できた」と振り返る。アマチュア時代に輝かしい実績がなかった分、プロの世界に飛び込めただけでも感無量で「入団した時は自分の背番号を特に気にしていなかった」。それでも周囲の仲間と切磋琢磨する日々を過ごすうちに「最近は(練習メニューなどが書かれた)ボードで自分の名前のところに3桁(の背番号)だと悔しいという気持ちになりました」。
選手の応援歌が好きで、西武では「リズムがいいので」外崎の応援が1番のお気に入り。開幕当初はベルーナドームに隣接する選手寮や室内練習場まで大応援の音声が届き「『おぉ、すげぇ』とワクワクしていた」と胸を躍らせていたが、今では「練習やナイターの時、トイレにいる時も(音が)漏れてくる外崎さんの応援歌を聞くと、なんか悔しいなと思うようになりました。そこは自分の中では成長したなと思います」と語った。
台湾で行われた「2023アジア・ウインター・ベースボール・リーグ」にも参加するなど、球団から将来性を期待されている。シーズン中は2割程度だったという盗塁阻止率も、台湾では7度刺したという。「台湾で実戦を踏めたのは他の選手にないアドバンテージだと思う。キャンプからアピールして、オープン戦に呼んでもらえるくらい頑張りたいと思います」。
台湾遠征中には西武でチームメートの青山美夏人投手と同部屋で、ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手の応援歌を流していたという。「ポランコをずっと聞いて、青山と一緒に歌っていました。自分のも作っていただけるように頑張ります」。主力選手の証でもある自身の応援歌誕生を大きなモチベーションに、是澤はこの冬も大粒の汗を流す。
(湯浅大 / Dai Yuasa)