大減俸のベテラン盗塁王、“腹が立った”元新人王 5位から逆襲…西武浮上のキーマン

西武・水上由伸(左)と金子侑司【写真:小林靖】
西武・水上由伸(左)と金子侑司【写真:小林靖】

4年契約を終えた西武・金子侑司は2024年、単年契約で勝負をかける

 2019年以来のリーグ優勝、2008年以来の日本一を目指す西武。2023年は5位に終わり、チーム全体の底上げが必要な中、起爆剤となりうる復活を期待する選手を独自に選出した。

 金子侑司外野手は、プロ12年目となる2024年シーズンに選手生命をかけているといってもいい。2012年ドラフト3位指名で立命大から入団。スピードを武器に1年目から活躍。2016、2019年にそれぞれ53盗塁、41盗塁でタイトルを獲得した。

 2020年から4年契約を結んだが、怪我や若手の台頭もあり出場機会は減少。この間の総盗塁数は27(14、9、3、1)に終わり、大型の複数年契約も終了した。2024年は1億2600万円から5600万円減の年俸7000万円(金額は推定)でサイン。「今年は何もできなかったのでしょうがない」と振り返り、単年契約で復活を期す。

 4月に34歳を迎える。肉体のピークは過ぎているのかもしれないが、経験を生かして、まだまだ活躍できる。ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かっているからこそ、ワンプレーがチームの空気を変える。「来年はしっかり野球で、応援してくれる人に恩返しできるように頑張りたい」。2023年11月の「ライオンズ サンクスフェスタ2023」では障害物リレーで甘いマスクを白い粉だらけにしてファンを喜ばせた。今度はプレーで喜ばせてほしい。

 投手では2022年に最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、新人王に輝いた25歳の水上由伸投手だ。2023年は23登板で5ホールド1セーブ。防御率2.12という数字を残したものの「自分に腹が立ちましたし、あまり面白くない1年でした」と勝ち継投での登板機会が少なく、納得していない。60試合に登板した2022年の疲労を心配する声にも「疲れを言い訳にしていたら、そこまでの選手」とハングリー精神でポジションを掴み取る。

 先発では再浮上を目指す28歳のアンダースロー右腕、與座海人投手にも注目だ。2022年に初の2桁勝利となる10勝(7敗)、防御率2.88をマークしたが、2023年は2勝6敗で終わった。一皮剥けるために、このオフはエース高橋光成の米国施設での練習や、国内自主トレに同行し、自身を高める。「来年やるしかないという気持ちです」。球界でも希少な下手投げとして、西武の強固な先発陣に食い込む。新たな決意で2024年シーズンに挑むベテラン、中堅、若手に注目したい。

(Full-Count編集部)

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