二刀流は「誰よりも厳しい道」 球団もサポート約束…DeNAドラ3は“山形の大谷翔平”
山形中央高の武田陸玖、侍ジャパンU-18代表としても活躍
DeNAのドラフト3位ルーキー・武田陸玖投手(山形中央高)が7日、神奈川県横須賀市の青星寮に入寮した。投げては最速149キロ左腕、打っては高校通算31本塁打を誇るスラッガー。超期待株は改めてプロでの二刀流挑戦を宣言した。
武田はこの日、山形県天童市の実家に近いJR天童駅から午前6時13分、山形新幹線の始発に乗車し、新天地へ向けて出発した。近所の人たち、友だちなど約50人がホームで見送ってくれたという。「本当にたくさんの人たちに見送っていただいて、寂しい気持ちもありましたが、やるしかないという気持ちになりました」と感慨深げだ。
親元を離れるのは初めて。「正直言って不安な部分もありますが、しっかり自分の役割を果たして、山形県民の皆さんに勇気を与えられるように頑張りたいと思います」と力強くうなずく。
高校3年間で甲子園出場こそ果たせなかったが、侍ジャパンU-18代表に選出され、昨夏の「WBSC U-18ワールドカップ」に出場。投げてはリリーフで3試合に登板し、計5回1/3無失点。打ってもDHで4試合にスタメン出場(4番3試合、3番1試合)し、11打数4安打(打率.364)3打点をマークした。地元山形のファンの期待が高まるのも当然だろう。
昨年10月26日のドラフト会議で指名された後、同28日の指名あいさつの際、球団側に「ピッチャーもバッターも、どちらもやりたい」と意志を伝え、「全力でサポートしていく」との返答を得たという。
ドジャース・大谷翔平投手と比較すると、右投げ左打ちで身長193センチの大谷に対し、左投げ左打ちで、20センチ低い173センチとやや小柄。それでも「自分は大谷選手と違って体は小さいですが、そういう選手でもプロの世界で二刀流でやっていけると証明し、小柄な子どもたちに希望や勇気を与えたい」と臆するところはない。
8日から始まる新人合同自主トレに向けて、「(投打)両方やるからには、人の倍以上努力しないといけない。誰よりも厳しい道を選んだので、努力していきたいと思います」と気合を入れ直した武田。二刀流として開花すれば、帰省時に50人どころか、山形県を挙げて出迎えられる存在になるかもしれない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)