退団が惜しい“優しき助っ人” 共感してくれた苦悩…怪物21歳を支えたナイスガイ
山下舜平大の“相談”と向き合ったワゲスパック
悩める“怪物”を救ったのは、長身助っ人だった。オリックスの山下舜平大投手が20日、大阪・舞洲の球団施設で自主トレを公開。プロ初登板初先発を託された昨季は、16試合に登板して9勝3敗、防御率1.61の成績を残してパ・リーグ新人王に輝いた。
4連覇&日本一奪回を目指す今季は、登板間隔を「中6日」で設定しており、自覚は十分。最速160キロの剛腕は「最後に喜べるように投げたい。個人的には去年の成績を越えられるようにしたい。(山本)由伸さん、サチさん(山崎福)の穴があるんで、少しでも埋めて優勝に貢献したい」と力強い。
昨季の終盤には「第3腰椎分離症」と診断され、戦線離脱。長期のリハビリ期間も、野球と真剣に向き合った。苦悩の21歳にヒントをくれたのは昨季までオリックスに在籍したジェイコブ・ワゲスパック投手だった。
「ワゲスは自分より身長が高くて、腕も長い。悩んでいた時期にいろいろアドバイスをくれて、今があると思います。(レイズとマイナー契約を結び)チームが変わって寂しいですけど、またいろんなことを話できたらなと思います」
特に耳を傾けたのは「練習メニュー」のことで、投球フォームのことも熱心に質問した。長身がゆえに「(投げる)タイミングが合わないだとか、腕の長さで苦労している部分も共感してくれた。(同僚で)1番聞きましたし、いろんなことを教えてくれる優しい人でした。ショートアームについても聞きました」と笑顔で振り返った。
今オフには食生活の改良にも着手しており「3時間おきに食事を摂るようにしています」と視線を時計にやった。朝昼夜の3食ではなく「1日5食」の生活で、外食も極めて少ない。数字面にも注視しており「今年からいろんなデータを使ったりしています。細かい数字だったりをちょっと入れ始めて、食事の面でも気を使ってやった結果が良い方向に行ってると思うので」と、パワーアップを止めない。
衝撃投球を披露し続ける21歳は、グンと伸びる直球をまだまだ求めていく。
(真柴健 / Ken Mashiba)