意地を見せた男・村田修一 はねのけた2つの屈辱
中日戦で決勝3ラン
「本当に僕らしい柔らかいホームランだったと思いますし、久しぶりに気持ちよくバットが振れました」
ヒーローインタビューでの巨人・村田修一の言葉だ。大きな弧を描いた放物線を「柔らかいホームラン」と言えるのだから、それだけ会心の当たりだったのだろう。3-3の同点。8回1アウト一、二塁。コンパクトに単打を狙う選択肢もあった。だが、生粋のホームランアーチストは、一発で仕留めにいった。
試合を決めるレフトへの6号3ランとなった。本塁打王を獲得したことのある強打者が後半戦に入っても成績は伴わない。かつてない苦しみを味わうシーズンになっている。原監督は復活を信じて、打率が2割台前半でも起用を続けた。持ち前の守備のうまさが光っても、打撃は伸びてこない。もどかしい日々が続く。
巨人が外野だけでなく、三塁も守れる外国人選手を探し始めた1つの理由に、村田の不振があった。複数の外国人選手をリストアップするなか、サードを守れるかどうかは大きなポイントだった。メッツ傘下のラスベガスで4番を打っていたカステヤーノスが入団し、村田のポジションは危うくなった。