地獄から解放…元阪神右腕の快進撃「0.96」 守護神剥奪の屈辱も、運命を変えた魔球

ブレーブスのピアース・ジョンソン【写真:Getty Images】
ブレーブスのピアース・ジョンソン【写真:Getty Images】

2019年に阪神で活躍したジョンソン、後半戦は防御率0.96と好調を維持した

 2019年に阪神で活躍したピアース・ジョンソン投手にとって、今季は真価を問われる1年になる。MLB公式サイトは「後半戦のスター選手たちは、この勢いを2024年につなげることができるか」とのタイトルで9選手を特集。後半戦の防御率0.96と好調を維持したままシーズンを終えたジョンソンも選ばれている。

 阪神時代の2019年には58試合に登板し、2勝3敗40ホールド、防御率1.38の好成績を残し、メジャー返り咲きを勝ち取ったジョンソン。昨オフには地元のロッキーズと契約したが、前半戦は防御率6.49と不振を極めて守護神剥奪の屈辱も味わった。しかし、7月にトレードでブレーブスに移籍すると潮目が変わる。

 記事では「クアーズ・フィールドがホームだったことが、彼の成績に影響したのは間違いない。ブレーブスにトレードされた7月24日までの間、アウェイでの防御率4.11に対してホームでの防御率7.23だった」と指摘した。打者天国と呼ばれる本拠地は、投手にとっては地獄。移籍で解放されると、後半戦は防御率0.96と別人のような好成績を残した。

 しかし、好調の要因は本拠地だけではなかったようだ。ロッキーズでのゴロ率は、わずか28.6%(MLB平均の43.1%を大きく下回る)で、9イニングあたり6個近い四球を出した。それがブレーブスでのゴロ率は55.8%とほぼ倍増し、与四球は9イニングあたり1.9個と劇的に減少。「ブレーブスは、新たなゲームプランと率直なアドバイスで彼の運命を変える手助けをした」という。

「最も効果的な球種に頼り、コンタクトさせる(打たせる)」。阪神ファンにはおなじみだが、ジョンソンの伝家の宝刀と言えばパワーカーブだ。コロラドでは53.0%だったカーブの使用率をアトランタでは71.6%に増やしたことが成功につながったと分析。「唯一の問題は、彼がその成功をフルシーズン維持できるかどうかだ。ブレーブスは彼がそうできると確信している」と締めている。

(Full-Count編集部)

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