西武ドラ1は「すぐに活躍する」 引退から1年…獲得の裏に“新人スカウト”のプレゼン

西武・十亀剣スカウト【写真:湯浅大】
西武・十亀剣スカウト【写真:湯浅大】

十亀スカウトが語るドラ1武内は「うちにいないタイプの投手でした」

 西武のドラフト1位、武内夏暉投手(国学院大)が宮崎・南郷キャンプで奮闘する様子を、特別な思いで見守っている。球団本部チーム統括部育成グループの十亀剣スカウトだ。アマチュア時代の武内を追いかけ、獲得を実現した。

「そこはたまたまです。自分の担当地域にそういう子がいただけ。特に昨年は東都に7人も(1位指名が)いましたし、そういう地域を担当していただけで、(チーム内で)そういう評価だったんだなと受け止めています」

 1位指名から新人合同自主トレを経て、無事にA班メンバーで春季キャンプに参加。左腕は順調に“階段”を上っている。昨年のドラフトは東都大学リーグの投手が大豊作。誰を1位で指名するか難しい選択が予想されるなか、十亀スカウトは会議で武内を推した。

「うちにいないタイプの投手でした。チーム内でかぶらない選手がいいと思いました。左投手は少なかったですし、いい変化球があってコントロールもいい。マウンドの上で考えながら、相手を見て投球できるのが、プロでもすぐに活躍するんじゃないかと思って、そこをプレゼンしました」

 強い推薦が実り、西武は競合覚悟で武内を指名することを決めた。スカウト前には1位指名が公表され、3球団による抽選の結果、交渉権を獲得した。

 十亀スカウトも2011年のドラフトで1位指名を受けJR東日本から入団。22年シーズンで引退した“新人スカウト”。武内の前任の背番号「21」と共通点は多い。やはり1年目の春季キャンプはA班だった。

「気疲れはありました。今まで会ったことない人ばかり、知らない人ばかりの中でやるわけですから。本人も入寮してから、キャンプ初日が1番眠れたと言っていました。丸1日現役の選手と練習して。いろんな人に挨拶して、気を遣って疲れたんだと思います」

 この日で第1クールは終了。武内は西武のユニホームを着てブルペン投球を行った。「立ち姿が綺麗だなというのが第一印象。よく似合っていますよね。これから自分の色を出していってほしいです。まだ隠しているところがあるので」。性格も十分に理解している。担当スカウトは、無事に開幕を迎えることを願っている。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY