育成5年目で漂う“危機感”「もうチャンスない」 昨季2軍で最多勝も…22歳に滲む覚悟

オリックス・佐藤一磨【写真:北野正樹】
オリックス・佐藤一磨【写真:北野正樹】

オリックス・佐藤一磨投手、セガサミーとの練習試合で2回無失点

 感じる危機から“脱出”してみせる。オリックスの育成5年目左腕・佐藤一磨投手が15日、宮崎春季キャンプで今回初の対外試合となるセガサミー戦に先発登板した。託された2イニングを被安打1の無失点投球を披露し、アピールに成功した。

 昨季は2軍で19試合に登板し、8勝を挙げてウエスタン・リーグの最多勝利投手に輝いた。宮城大弥投手、紅林弘太郎内野手らと同じ2019年ドラフトで育成1位指名されてオリックスに入団した左腕は“最後の勝負”に挑んでいる。

「目標は支配下選手登録され、1軍で投げて、後半に(1軍)定着できたら良いなと思っています。(2桁背番号は)今年こそというか……。今年なかったら、もうチャンスはないのかなと。空回りしないように、ラストチャンスだと思って頑張ります」

 4月に23歳を迎える190センチの長身左腕が、本音を漏らした。入団時に比べて「ブルペンでの精度はすごく良くなっている。真っすぐがしっかりと投げられるようになった。強いボールをストライクゾーンの内外で投げ分けられるようになった」と自己分析する。

 前回登板した10日の紅白戦では“思わぬ収穫”があった。降板後、厚澤和幸投手コーチから声を掛けてもらい「投げている姿を見て、頑張っている感、どうにか抑えよう感が出ている。(相手を)支配するところまで行けていない。ゲームを支配できるような雰囲気や投げている姿が必要なんじゃないかな」と指摘を受けた。

 佐藤は「自分で映像を見返してもオドオドしていました。外から見えている僕の姿があんまり良いものではない。早く0点でベンチに帰りたい、みたいな。技術以前の見え方の部分を指摘して頂いた」と素直に受け止めた。

 今後もキャンプ中の実戦やオープン戦に臨み、早期の支配下選手登録を目指す。「結果、結果じゃなくて、冷静に自分のボールを投げられれば。アピールの部分で、打たれちゃダメだと考えてしまう。もっと堂々と投げて行ければ良いと思います」。そう言い切ると、スッと胸を張った。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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