驚異の長打率.857…DeNAに現れた“柳田悠岐2世” 「筋力がついた」体重6キロ増で覚醒

DeNA・梶原昂希【写真:町田利衣】
DeNA・梶原昂希【写真:町田利衣】

ファウルで粘り10球目を一閃「甘く来たところを仕留めることができた」

 DeNAにフレッシュな若手が次々と台頭している。ドラフト1位ルーキーで「1番・右翼」に定着している度会隆輝外野手だけではない。3年目の梶原昂希外野手も10日、本拠地・横浜スタジアムで行われた西武とのオープン戦に「6番・左翼」で出場し、2回の第1打席に左中間席へ先制ソロ。前日(9日)の左翼席へのソロに続き、2日連続で“逆方向”へ一発を見舞った。“師匠”と慕うソフトバンク・柳田悠岐外野手ばりのパワーが身についてきたか。

 2回先頭で左打席に入った梶原は、西武先発の右腕・松本航投手に対し、フルカウントから4球連続ファウルで粘った。そして迎えた10球目、148キロの速球が外角高めに浮いたところを一閃。打球は左中間フェンスを越えていった。「しっかり芯に当たって角度もついたので、行くかなと思いました。甘く来たところを仕留めることができてよかったです」と笑みを浮かべた。

 2021年ドラフト6位で神奈川大から入団。過去2年は故障もあり、通算27試合出場、打率.235(68打数16安打)、1本塁打4打点と爪痕を残せなかった。身長189センチで、体重は昨年のシーズン中より約6キロ増やして90キロ前後に。「もともと引っ張り系ではなく、左中間方向が自分ぽい打球かなと思っていますが、飛距離が伸びてきました。体重の変化も理由のひとつかなと思っています」と“増量効果”を実感している。

 2年連続でシーズンオフに柳田に弟子入りして行った自主トレも、効果をあげている。今年は1月6日から24日まで大分県佐伯市で実施。「ギータさんは『ウエートより懸垂をやれ』と言っています。詳しい理由は聞いていませんが、懸垂が好きみたいです」と苦笑しつつ、「ギータさんが軽々と10回3セットこなす懸垂を、僕は最初3回しかできませんでしたが、今年の自主トレが終わる頃に7回、今は10回できるようになりました。お陰で肩回りに筋力がついて、成果が出ているのではないかと思います」と感謝する。

初の開幕1軍どころか、スタメン中堅の座を関根らと争う

 柳田と同じ大卒入団の右投げ左打ちで、体格も188センチ、93キロの柳田に近づいてきた。「ギータさんも若い頃の映像を見ると意外に線が細くて、そこからウエートトレーニングに目覚めたみたいです」と背中を追いかけている。球界を代表する打者となった柳田も、初めて規定打席を突破したのは4年目の2014年だったので、梶原にもまだまだ可能性はあると言える。

 柳田も左翼、中堅、右翼のどこへでも本塁打を放てるのが特長。梶原は「ギータさんは練習では、センターから逆方向への打球が多い。特に右投手に対しては、『素直にバットを出せば、角度的に体がレフト方向へ向きやすい。逆に打撃練習の球速帯で引っ張りにかかってしまうと、試合でノーチャンスになる』と言われています」と明かす。

 DeNAの外野レギュラーは今のところ、右翼・度会、左翼・佐野恵太外野手が有力。梶原は3年目で初の開幕1軍のみならず、桑原将志外野手が腰の張りで離脱していることから、開幕スタメン中堅の座を、関根大気外野手らと争う展開だ。

 10日現在、オープン戦5試合に出場して打率.286(14打数4安打)、2本塁打2打点、長打率.857、OPS1.143。「絶好調というわけではなく、だいぶ上がりかけてきたかなという感じです」と満足はしていない。「まだアピールの序盤というか、足りていない。守備も走塁も、全てでアピールしていきたいです」と貪欲に飛躍を期している。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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