大谷翔平へ“故意死球発言”から1年 「オフには毎年日本へ」韓国人右腕の意外な素顔
パドレス高祐錫は古巣・LG戦でセーブ「緊張とワクワクの両方がありました」
昨オフにパドレス入りした高祐錫(コ・ウソク)投手は18日、古巣の韓国プロ野球・LG戦の9回からリリーフ登板。右腕を振った。2ランを浴びたものの、凱旋セーブを挙げた。試合後はスッキリとした表情で振り返った。
「元チームメートと対戦して、緊張とワクワクの両方がありました。いいところに決めようとしたら相手がいいスイングをした。そういうことです」
1年前、まさかの騒動に巻き込まれた。侍ジャパン・大谷翔平投手への“故意死球”発言だ。韓国のテレビ局の取材に対し、「本当にいざマウンドに上がったとき、投げるところがなければ、痛くないところに(ボールを)当てなければならない」などと発言。大谷へのリスペクトを示したつもりが、謝罪する事態にまでなった。
すっかりダークなイメージがついてしまったが、本来は日本を愛する好青年だ。この日の日本メディアの取材の前には「ちょっと待ってください」と日本語で発言。「ちょっとだけ」と謙遜するが、日本語で話すことができるという。
「日本の文化が大好きなんです。アニメとか漫画とか」
「日本の文化が大好きなんです。アニメとか漫画とか。そういうのを見て育ちましたから。オフには毎年日本へ行っています。だから自然と言葉が身につくんです。日本では野球もしました。友人たちと東京や大阪を散策するために行ったこともあります。何度も行っています」
大谷も他の選手とのコミュニケーションのツールにするほどの漫画好きだ。そのことを伝えると、一気に表情を崩した。「ドラゴンボールは最高の漫画の1つです。日本のアニメはどれも好きです。あとは進撃の巨人とか」。
移籍1年目の本業ではダルビッシュ有投手に助けてもらう日々だという。「ユウさんに日々アドバイスを求めています。昨日も彼の映像を見ながら『この時何を考えていた?』『なぜ、ここでこの球種を選んだ?』と聞いてました。僕が質問をする度に、いつも時間をかけて答えてくれる。ユウさんの助言はいつもありがたく思っています。ユウさんのようなベテランがいてくれて最高です」。感謝の言葉を並べた。
今春のオープン戦では5試合登板して0勝1敗、防御率12.46だった。「一番の違いだと感じたのは、まずはメジャーの打者は空振りをあまりしないということ。韓国の打者ほどボール球を振らない。彼らの方が辛抱強い」。簡単に結果を出せなかったが、これも望むところ。20日のドジャース戦で、メジャー挑戦の第一歩を刻む。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)