野球賭博よりも禁止薬物使用が罪深い? 往年の名手ピート・ローズ氏が持論を展開

歯に衣着せぬ発言を繰り返したピート・ローズ

 野球賭博への関与によりメジャーリーグから永久追放されている往年の名手、ピート・ローズ氏が野球賭博よりも禁止薬物使用の方が罪深いと主張し、全米で話題になっている。ESPNのFM98・7局「ザ・マイケル・ケイ・ショー」で持論を展開した。

「野球賭博も禁止薬物使用もどちらも悪いが、私の場合は野球に関する成績など数字を歪曲させたことはない。野球にとってはこの数字が聖なるものだ。だからこそ、ベースボールカードはフットボールカードよりも価値が高く、ホーナス・ワグナー(故人、パイレーツなどで活躍した米史上最高の遊撃手)のカードは数百万ドルで取引されるし、野球に関わる記念品はフットボールよりも高い価値を持つんだ」

 そうローズ氏は語った。MLBで最多試合出場記録や最多安打記録を持つ伝説の名手だが、現役引退後、レッズを率いていた1989年に野球賭博への関与が発覚し、野球界から永久追放処分を受けていた。悲願である球界復帰を果たすことはいまだに叶わないが、同じく球界のルールを破った後輩への視線は限りなく厳しい。

「私は成績をねじ曲げたことはないが、禁止薬物に手を染めていた選手たちについてどう思うか、ベーブ・ルースやロジャー・マリスやハンク・アーロンに質問してみれば、良く言わないだろう。私は彼らの答えを聞いてみたい。なぜなら、彼らはステロイドの影響で自分たちの記録が破られるのだから」

 球界に蔓延している禁止薬物への依存によって、選手が個人成績や記録を飛躍的に高めているMLBの現状に怒りを隠そうとしなかった。だが、禁止薬物使用問題で今季の公式戦全試合出場停止処分を受けているヤンキースのアレックス・ロドリゲス三塁手に対しては、なぜかサポートの手を差し伸べている。このたび自身の処分に対する提訴を取り下げたAロッドにはメールで「アレックス、1年間我慢して、(活躍するために)準備を続けるんだ」と激励したという。

「彼は野球を愛している。野球の伝統を愛している。私を含めた他の人間同様にミスを犯したけれどもね。アレックスがどんな1年間を過ごすのか注目したい。独立リーグでプレーするとか、そういう話題は聞きたくない。サーカスのような大騒ぎになるようなことはする必要はないんだ」とかつてのスーパースターにアドバイスも送った。元祖お騒がせ男のローズ氏らしく、最後まで歯に衣着せぬ発言を繰り返していた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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