「八百長問題」乗り越え新時代へ…16年ぶり1軍6球団制が復活 台湾プロ野球だより
紆余曲折を経て…2008年以来の1軍6球団制が復活
台湾プロ野球(CPBL)35年目のシーズンを迎えた。今季は1軍6球団制の復活、さらには待望の「台北ドーム」の運用と、新時代の幕開けともいえる1年となる。16年前の2008年秋、八百長問題などの影響で2球団が解散し、一時はリーグ存続の危機も叫ばれた。それから約10年、各方面の努力により2019年の味全ドラゴンズ「復活」、そして2022年の台鋼ホークス参入により、今季6球団制が復活した。
ファン待望の台北ドームも昨年12月に完成し、今季からCPBL公式戦で使用されることとなった。「こけら落とし」となった昨年12月のアジア選手権の開幕セレモニーで、王貞治氏が「アジアNO.1のドーム球場」と絶賛。快適なだけではなく、死角が少なく試合が見やすいスタジアムとして既にファンから高い評価を得ている。
今季は味全ドラゴンズと中信兄弟のゲームを中心に全6球団、計35試合が開催される。観客動員は好調で、開幕から約3週間、4月17日まで38試合の合計観客動員数は延べ32万980人。1試合平均8447人と、動員数が史上3位だった昨季の1試合平均6,000人に比べて約40%増となっている。
台北ドームでの開幕戦は、CPBL公式戦で史上最多記録となる2万8618人が入場
3月30日、台北ドームで開幕戦、楽天モンキーズ対味全ドラゴンズの試合が行われた最も安い外野席でも台湾元500元(日本円約2380円)。バックネット裏にいたっては同1880元(同8900円)と、通常時の2~3倍という特別価格であったにも関わらず、CPBL公式戦史上最多となる2万8618人のファンがつめかけた。試合は味全が3-2で逃げ切り、台北ドームでの開幕戦を勝利で飾った。
4月3日には今季から1軍に参入した台鋼ホークスがようやく初戦を迎えた。2022年に「第6の球団」としてリーグへ参入した台鋼打線の軸と期待されるのが、昨季まで北海道日本ハムでプレー、6年ぶりに台湾球界に復帰した「大王」王柏融と、チーム初の外国人野手、かつて中日やオリックスでプレーした、「魔鷹」こと、スティーブン・モヤである。
同日に台北ドームで行われた中信兄弟との一戦は、1万8072人のファンがつめかけた中で4-1で逃げ切り、初陣を勝利で飾った。チームは開幕から4勝2敗と上々のスタートをきったものの、そこからは6連敗。早くも「1軍の壁」を感じる苦しい状況となっているが、キャプテンとして、背中で若い選手たちを引っ張っていってもらいたい(情報は4月17日現在のもの)。
(「パ・リーグ インサイト」駒田英)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)