陽岱鋼、37歳の胸中「まだやれる」 2軍球団で打率.212も…妻と子3人で“もがく日々”
巨人を退団後、米独立リーグへ…今季からオイシックス新潟に所属
日本ハム、巨人で活躍した陽岱鋼外野手は今季、3年ぶりに日本球界に帰ってきた。所属しているのは、NPB2軍に新規参入したオイシックス新潟アルビレックスBC。1月に37歳となったベテランは今、何を思っているのか。再び日本でプレーする理由や、描く未来図について語った。
オイシックス新潟への入団が発表されたのは2月のこと。イースタン・リーグが開幕して1か月半が過ぎたが「少しずつ上がってきていますが……体の調子も打撃の調子も上げていかないといけない」というのが現実。ここまで14試合の出場で40打席に立ち打率.212(33打数7安打)、0本塁打、1打点にとどまっている。
今季からオイシックスとともに、ウエスタン・リーグには「ハヤテ223」が加入。NPB復帰を目指す選手たちが多く在籍してしのぎを削る。「自分の目標はもちろんあります。でもその前に、どうしたらそれを達成できるかが大事。日々やること、維持すること、目標ばかり見てそこを忘れてしまっては意味がないんです」と陽岱鋼。“明言”こそしなくても、強い思いは伝わってくる。現在37歳。同世代の多くはユニホームを脱いだが、まだまだ成し遂げたいことがある。
「年齢は一番自分が分かっている。厳しいところもあると思う。でも『こいつまだまだできるな』と思ってくれたら、そこは自分の勝ちだと思う。年齢に負けることはないし、今やっていることが正しいと思ってやっています」
将来的な日本で指導者の道も「そこは考えています」
台湾出身の陽岱鋼は、福岡第一高から2005年高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。盗塁王や4度のゴールデングラブ賞など球界を代表する外野手に成長を遂げ、国内FA権を行使して2017年から巨人に移籍した。2021年限りで退団後は、米独立リーグで白球を追った。
再び日本でユニホームを着たのには、2つの理由がある。「一番長くやってきた国ですし、少しでも恩返しできたらいいなと思って帰ってきました」。また将来的に日本で指導者の職に就くことにも「そこは考えています」と明かす。
とはいえ、もちろん今はまだ現役一筋。「まだやれるっていうのはもちろん、思っています。何を目指しているのか、自分の中ではハッキリしている。それは自分しか知らないことなので、周りに左右されずに悔いのない野球人生を送りたいと思います」と力を込めた。
米国では単身赴任だったが、新潟では妻と3人の子どもたちと幸せな日々を送る。「まだ野球うまくなりたいんで。年も年ですけどね」と話す陽岱鋼の目は、変わらず情熱に溢れていた。
(町田利衣 / Rie Machida)