打ち勝つべきか、“投”の力が必要か…首位西武は4点以上取らないと勝てない!?

西武・辻監督【写真:荒川祐史】
西武・辻監督【写真:荒川祐史】

3得点以内で勝利した試合がわずか5試合

 プロ野球は2018年シーズンの前半戦が終了し、16日から後半戦に突入。80試合ほどを消化し、西武が2.5ゲーム差で日本ハム以下をリードし、4ゲーム差でソフトバンク、オリックス、ロッテ。さらにその後ろに楽天が続いている。

 シーズン開幕直後から首位・西武の打線の破壊力はずば抜けており、チーム打率の.276、チーム得点の436はともに大差をつけての両リーグトップの数字。一方で、チーム防御率の4.30は同10位と、打高投低で成り立っている。これは2001年の近鉄がチーム打率.280、チーム防御率4.98でリーグ制覇を成し遂げたシーズンに近いものがあると言える。

 今季ここまでの46勝を振り返ると、3得点以内で勝利した試合がわずか5試合。得点を奪えば奪うほど勝率が上昇するのは当たり前のことだが、日本ハムは3得点以下で11勝、オリックスは12勝と、わずかな得点でも白星を積み重ねられている状況だ。

【埼玉西武・得点別勝敗】
0点 5試合0勝5敗0分 勝率.000
1点 4試合0勝4敗0分 勝率.000
2点 10試合3勝7敗0分 勝率.300
3点 8試合2勝5敗1分 勝率.286
4点 3試合2勝1敗0分 勝率.667
5点 12試合6勝6敗0分 勝率.500
6点 5試合4勝1敗0分 勝率.800
7点 9試合8勝1敗0分 勝率.889
8点 6試合5勝1敗0分 勝率.833
9点 5試合5勝0敗0分 勝率1.000
10点~ 11試合11勝0敗0分 勝率1.000

 今季の先発陣の9回完投数は2(多和田投手が2)と、ほぼ全試合で救援陣の力が必要となる現状、何としてでもその救援陣を再整備する必要がある。シーズン序盤に高橋朋が故障で離脱し、頼みの増田が不調で、全投手が防御率3点以上と試行錯誤が続くが、ここに1人でも確実に抑えられる救世主が現れれば非常に心強い存在となる。

 これまでの戦い方を継続し、打ち勝つ野球を展開していくか。それとも“投”の力で接戦をものにしていくか。秋の短期決戦での戦いを見据えていくためには、後者を充実させていく必要があると言えるのではないだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」松下雄馬)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY