東晃平が越えた苦悩 2か月勝ち星なし&危険球退場で…メンタルが「結構しんどかった」

巨人戦で2勝目をあげたオリックス・東晃平【写真:荒川祐史】
巨人戦で2勝目をあげたオリックス・東晃平【写真:荒川祐史】

オリックス・東晃平「少し楽になりましたね」

 いつになく背筋が伸びていた。オリックスの東晃平投手が、8日に東京ドームで行われた巨人戦に先発登板し、8回2安打無失点の投球で今季2勝目を記録した。111球の熱投も「初回に1点を取ってくれたのが、自分の中ですごく楽になりました」と野手に感謝した。

 極度の緊張で、登板前には食事が喉を通らないこともある。「初回ですね。そこを乗り越えたらどんどんいけるイメージはあるんです」。だからこそ、もらった1点が大きかった。「変化球で逃げずに真っすぐでしっかり押せていた。状態は良かったと思います」。健気に笑う。

 前回登板した1日の中日戦(京セラドーム)では4回途中に危険球を投じてしまい、退場を宣告された。東は「(頭に)当てたという影響は(今回)なかったです」と振り返るが、中嶋聡監督は「何が起こるかわからないのでね。危険球で退場したというのはかなり悔しいと思います。(8回無失点で)しっかり返せたのかなと思います」と思いやった。

 指揮官は「本当によく投げたと思います」と褒める。2点リードの9回には、三塁側ベンチ前でキャッチボールをする東の姿があった。結果的に8回で降板となるが、東は「あの時『2点入ったら行くぞ!』と言っていただいていたんです。(無得点なら)交代しようか、とも。2点入らないといけなかったですけど(9回のマウンドに)いきたいなぁと思っていました」と説明する。

 111球を投じていたこともあり、指揮官は「球数的に難しいかなと。いろんなボールをしっかり投げられていたのかなと思います。全球種……ダメなやつもあったけど、それでも及第点かなと。勝って自信をつけていってほしいなと思います」と背中を押した。

 今季初登板だった4月4日の西武戦(ベルーナドーム)以来、およそ2か月ぶりの白星。「今が1番野球人生で状態が悪いと思うようにしていました。ここから上がるしかないなと。メンタル的には結構しんどかった。今回、勝てたので次は楽に(考えて)。少し楽になりましたね」。波に乗る準備は整ってきた。

○真柴健(ましば・けん)1994年8月、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年に日刊スポーツ新聞社へ入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間に「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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