阪神21歳は「本当にいい仕事してる」 岡田監督が高評価…打率2割も数字に現れない貢献

阪神・前川右京【写真:小林靖】
阪神・前川右京【写真:小林靖】

阪神・前川は7日西武戦で適時打…連敗ストップに貢献

■阪神 5ー1 西武(7日・甲子園)

 阪神は7日、甲子園球場で行われた西武戦に5-1で勝利し、連敗を「3」でストップさせた。久しぶりに打線が繋がり、8カードぶりに3連戦の初戦で白星。“2点打線”から抜け出し上昇ムードを漂わせた。そんな中、岡田彰布監督が称賛した1人は高卒3年目21歳の若武者だった。

 前夜(6日)は楽天に同一カード3連敗を喫し、貯金はついに「0」。“第2の開幕”と位置付け臨んだ一戦で、猛虎打線が意地を見せた。2回1死一、三塁の好機で木浪の一ゴロの間に先制すると、4回は2死一、二塁から前川が左前適時打を放ち追加点。6回には近本の2点適時打が飛び出すなど一挙3点を奪い試合を決めた。

 仕切り直しの一戦に勝った岡田監督は「久しぶりにいい勝ち方ができたかなと思う」とナインを称え、15試合ぶりに奪った5得点にも「こういうのを続けていければと思いますけどね」と頬を緩めた。この日、1軍に復帰した佐藤輝の活躍も光ったが、指揮官が目を細めたのは2番で起用する前川の“姿勢”だった。

5日の楽天戦から3試合連続2番でスタメン出場

 前川は5日の楽天戦(甲子園)でプロ初の2番に起用されると、ここまで3試合で10打数2安打の打率.200、2打点。数字だけをみれば物足りなさを感じるが、岡田監督はしぶとく食らいつく打席での内容に注目し「何とかするいう姿がやっぱりな。追い込まれても、くさいボールでもバット折りながらでもファウルにするとかな。そういうのが必要やんかやっぱり」と称賛した。

 左翼の守備に不安は残るものの、自慢の打撃はここまで41試合出場で打率.253、1本塁打12打点を記録。5月31日のロッテ戦ではプロ初本塁打を放つなど“強打”に目が行きがちだが、際どいコースをファウルで逃げ四球を選び、出塁率.360をマークするなど献身的な打席も見られる。

「本当にいい仕事している。そら、皆がそういうの(姿)を見てるわけやからさ。そういうのがやっぱりいい結果につながるよ」

 左投手でも起用され、貧打で苦しむ現状のチームになくてはならない存在になりつつある。がむしゃらなプレースタイルから一皮むけた背番号「58」。リーグ連覇を狙う岡田阪神のキーマンになるかもしれない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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