ダルビッシュから「大丈夫?」 募る“恩人”への思い…苦悩の25歳「LINEじゃ伝わらない」
オリックス・宇田川、ダルビッシュは「自分に自信がつく言葉選びをしてくださる」
遠く離れているからこそ、会いたい気持ちが募る。2軍で調整中のオリックス・宇田川優希投手が自身の現状を案じるパドレス・ダルビッシュ有投手に復活を誓う。「会いたくなる人ですね。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でアドバイスをいただきましたし、今も、気にかけていただいています」。5月中旬のブレーブス戦で日米通算200勝を挙げたダルビッシュの存在を聞いた時の宇田川の答えだ。
日米200勝のお祝いLINEはもちろん送った。「ありがとう。元気?」。短いメッセージに、2軍で調整している自分への思いを感じ取った。約3か月ぶりのコンタクト。前回は宮崎での春季キャンプ中。右肩痛でリハビリ組に入って調整しているニュースを知ったダルビッシュから「大丈夫?」という連絡だった。
「一応、『こんな感じです』と送りました。いろいろ話はしたいのですが、LINEじゃ伝わらないんで。ダルさんは忙しいし、時差もあるので長いLINEは迷惑になってしまいますから。でも……。やっぱり可能ならゆっくり話したいというのはあります」
昨季は46試合に登板し4勝2セーブ、20ホールドでチームのリーグ3連覇に貢献した。今季はコンディション不良で開幕に間に合わず、4月21日に出場選手登録をされたものの、登板6試合で2敗、1ホールド、防御率3.00と安定感を欠いた。5月15日のロッテ戦では1-1の延長12回から登板し、打者3人に2四球を与え、1死を取っただけで降板すると、そのまま登録抹消。再び2軍での調整に戻った。
ダルビッシュとの細かいやり取りは2人だけのものだが、宇田川は「優しいというか、自信のない自分に自信がつく言葉選びをしてくださるんです。今も、気にかけていただいているだけで本当にうれしくなります」と37歳で偉業を達成したダルビッシュに感謝する。「僕は1年間、まだ戦い抜けていないのに、20年間も活躍されているのは、想像がつかないほどすごいことなのだと思います」。偉大な先輩への想いを胸に、早期の再昇格を目指す。
(北野正樹 / Masaki Kitano)